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死して屍拾う者無し

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秩序が無けりゃドイツラントじゃない。

秩序局とでも訳せばいいのかなあ。
ドイツにはそういう名前の組織が
役所内にあるのよ。

何をするところかと言うと。
社会の秩序を守るところ。

ドイツ人ってものすごく秩序を愛する人たちなんす。
とにかく秩序がなきゃ何事も始らんと言うか。

秩序ってORDNUNG(オアトヌンク)
と言って、もうドイツ人は口癖のように
この言葉を使う。

アレス・イン・オアトヌンク?

って言うのは「万事問題ないか?」って
言う問いかけで。
常に常に誰かが言ってる。
もうある意味挨拶代わり。
英語だと
is everything all right?かな。
でも。
どうにもこのオアトヌンクの雰囲気を
英語じゃどうにも満たしきれない。
それくらいドイツ色バリバリの言葉だと思う。

この秩序を保つ役所ってのが
これまたスゴイところで。
アタイこの役所ってドイツラントにしか
無い気がするんだよね。
秩序局って・・・。
一体全体何なんだよ?って最初思ったけど
これほどドイツラントを代表するものは
無いんじゃ?ってくらい典型的ドイツ。

ま、具体的に何をするかと言うと。
アタイが知ってるだけのことを
大まかに言えば

交通管理
駐車違反やら、交通違反を犯した人や
車に罰金を処す。
違反切符を切るってやつね。
んで違反駐車のタレコミも受け付けてる。

イヌ対策
大型犬やら、野良犬やら危険なイヌを捕まえる。
日本で言えば保健所みたいなもんかな。
ノラを捕まえるだけじゃなくて
たとえば飼い犬が放し飼いになってて
近所の人が不快に思ったらそれは
当然タレコんでも良い。
糞を持ち帰らない飼い主の事とか
吼えまくるイヌに対してとか。
苦情を受けた秩序局の人が飼い主の
ところへ行って
「これこれこういう苦情が来てるんで
すみませんが今後気をつけてください。」
って言いに行くんだって。

街のパトロール
お祭りや、イベントがあるときは街中を
巡回して、よっぱらいや変な人が騒ぎ出さないように
目をくばる。

その他近所間のいさかい調停。
たとえば隣人がアタイの庭の木が
隣人宅の敷地に枝を延ばしてるので
切りたい!と言ってきた場合。
法律をもとにどっちの言い分が正しいかを
秩序局の人が判断してくれたりする。

そんな感じかなあ。
ドイツ人って社会が秩序だってないと
嘆きだす国民なんす。
大問題だ!って思っちゃうみたいで。
公園にゴミが放置してあったりしたら
もう大変!
こりゃあすぐにでも秩序局に言って
どうにかしてもらわんと!ってことになるし。

あとはみんな超個人主義と言うか
自分勝手なので、オノレが快適に過ごせないとか
オノレの敷地に何か他人の障害物が
入り込んできたら、それも許せない!!!
って思っちゃうみたいで。
とてもじゃないけど助け合いとか
多少は近所だしガマンして・・・とかって気持ちは
毛頭無いもんだから
まずはどっちが正しいかをハッキリさせて
その上で秩序局に調停してもらって
それでもダメなら法廷に持ち込んじゃるわー!
って考える人が大多数のよう。

だからこんな秩序局がどこの街にも
普通にあるんだと思うし
みんなそれがあって当然だと思ってるし、
そのネーミングがかなりドイツっぽくても
誰も気にして無いし、そもそも気がついてない。

とにかく秩序第一の国なのだよ。

驚きだよねえ。
つーか。
譲り合い精神ゼロだよね。
ギスギスした人たちだなあーって思う。
老若男女の誰もが心に余裕が無いんだね。
でもこれこそがドイツ人だよなあって思う。
だからこそ国が整ってるんだけど。

ま、今回はアタイもそんな秩序局の
力を借りようと思ってて。
引越しの際便利なサービスがあることを
同僚が教えてくれたんだよ。
アタイが引っ越す先は住宅地なんだけど
ほぼ全部がアパートなんす。
そうするとこっちの人は車庫とか持ってないのが普通だから
みんな路駐なんす。
道に沿った余白は全部住民の車で埋められてる。

つまり。
アタイが引越しをする日に引越し用の車を
停めるスペースが見つからない可能性が
ものすごく高い!!!
これは大変困るなーって思ってたのよ。
だって遠くに停めた場合荷物を運ぶのが
大変だからね。
停められればまだいいけど停められないかも
しんないからねー。

けどね、前もって引越しの日を秩序局に
言っておけばアタイのアパートの目の前の
駐車スペースに駐車禁止の
標識を立てておいてくれるんだって。
なんつー便利なサービス!!
アタイ感動しちゃった。
そんな便利なもんがあるだなんて。
ま、まだ問い合わせ中だけど多分大丈夫そう。

ドイツラントって時々日本に無いような
便利なものがあるんだよね。
日本にある便利なものはほとんど無いのに
たまーにドイツに軍配があがることがあるのよ。

たとえば・・・

アタイが好きなのはウォッシュストリート。
数十メートルに及ぶ長い洗車トンネルなんだけど
そのトンネルをユックリベルトコンベアに乗って
車でくぐれば(10分くらい?)、
洗車が終了してるシステムで、
洗車に使われる水はリサイクルされてるのよ。
かなり大掛かりなシステムだけどあれは
日本にもあればいいのになーって思う。
細かい洗車は手作業で磨かないときれいには
ならんみたいだけどねー。

あとね、ゴミ収集車もスゴイ。
ドイツラントのごみ収集はものすごく面白いんだよ。
アタイあれを見るといつも
「ドイツ人って本当にものぐさなんだなあー」って思う。
そんでもって「ものぐさが発明の父なんだなー」とも思う。
なんせね、でっかいコンテナを人間が触ることなく
ごみ収集車にゴミを入れてしまえるんだよ。
文章で説明してもいまいちそのダイナミックさは
伝わらないんだけど、
なんつーか工場のリフトを見てる感じかなあ。
それが街中で繰り広げられてるから
いつも面白いなーって見入ってしまうのよね。

ま、そんなところかなー。笑
他にもあったかもだけど思い出せないや。

それにしてもさー。
秩序局の仕事って部分的に警察とかぶるんだよね。
いざこざの度合いが大きくなると警察の
出番なのかなー。
犯罪の色が強くなる時とか?
警察が出張るほどじゃなけりゃ秩序局かな。

とにかく面白いなーって思う。
by kuronekomusume | 2009-04-28 05:51 | 日記 | Comments(2)
Commented by sandonomeshi at 2009-04-30 22:08
確かにすごい感覚ですよね”Ordnungsamt”って。最初何かと思いましたよ。
それにしてもドイツ人のタレコって結構陰険なのがあったりするみたい。いつも顔合わしてるんだから、何か気に入らないことがあるんなら言えばいいのに、わざわざ”秩序局”に通報したりするのよね。
Commented by kuronekomusume at 2009-05-03 05:11
sandoさん、ドイツ人って・・・タレコミ好きな民族ですよね。ルール違反は断じて許さない!秩序を乱すヤツも断じて許さない!って感じですよね。直接言うとあとで報復があったりすると困るのでORDNUNGSAMTに依頼するんでしょうかねえ?!
最近ドイツ人にいいようにやられてるので、心が傷つき気味です・・・。利害が絡むとドイツ人って一切信用出来ないなーと。先が思いやられます・・・。