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死して屍拾う者無し

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映画評/2本

久々の映画評を。
どっちもアタイのお気に入りテレビ局
アインツフェスティバルで見た。
どちらもすごく良かったー。

「ずっとあなたを愛してる」
主演:クリスティン・スコット・トーマス、
エルザ・ジルベルスタイン
監督:フィリップ・クローデル
公開:2008年

こちらはフランス映画です。
フランス映画にこのタイトルとくれば
なんか面倒くさそうな恋愛映画を想像しそうだけど。

そんなもんアタイが見るワケ無いし
見たとしてもいちいち感想とか書かない。

ってことは、この映画はまったく
恋愛映画ではないんすよ。
なので、恋愛映画嫌いな人はご安心あれ。

ざっくりいうと、
姉妹のお互いをいたわる家族愛
みたいな映画かなあ。

たまたまチャンネルを変えてたら
エルザ・ジルベルスタインさんという女優さんが出てて。
アタイは彼女の演技と言うか雰囲気がすごく
好きなんだよね。
ドイツラントでは割と彼女の出てる
映画を時々テレビで放送してるので
名前は知らなかったけど
顔で覚えてたんす。
んで、どれどれ・・・と思ってみてみたんだけど。

いやー。
なんか、良い映画だった。
じっくり、感情を撮った映画と言うかね。
落ち着いた映画が好きな人にはおすすめ。
どうやら日本でも公開されてたっぽいから
おそらくDVDになってると思う。
ので気になる人はレンタルしてみてくださいな。
あ、でも見たい人はちょっとネタバレかも。

ストーリー:
お姉さんであるジュリエットが主役。
ジュリエットが15年ぶりに妹のレアに
会いに彼女の家を訪ねてくるんだけど。
何で15年ぶりかというと。
ジュリエットは元医者で、
学生結婚した元旦那さんとの間に出来た息子さんを
5歳くらいの時に殺してしまったんす。
その罪をつぐなうために15年間刑務所に
入っていて、刑を終えたジュリエットは
妹レアのところに身を寄せに来たと言うわけなんす。
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ジュリエットは就職活動をするんだけど
なかなか仕事が見つからない。
それは採用者が元服役者であったことは
受け入れても、息子を殺した母と言う事を
知ると完全に拒否されてしまうからで。
映画評/2本_c0016407_2363719.jpg

ジュリエットはそういう事実に対しても
無気力に受け流してどこか悲しそうな
雰囲気をたたえてる。
事情を知るレアはそんなジュリエットを
支える優しい妹。
彼女自身は大学で文学の講師をしていて
旦那さんとベトナム系?の養女二人を
育てている。

ある日レアはジュリエットが持っていた書類を
見てしまい、実はジュリエットの息子さんは
不治の病に犯されていたため、
苦しむくらいならと殺してしまったよう。
それらの事実を公にせず、ジュリエットは
ただひたすら息子を思って服役していたのでした。

と言う内容。

ジュリエット役の女優さんが
憂いのある雰囲気でステキなんす。
最初はいかにもムショから出てきました風な
服装で暗い感じなんだけど
徐々に明るさを取り戻して
ステキな女性になっていくんだよね。
結構男性にももてたりして。
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それを優しく見守る妹レアがこれまたステキ。
(右側だよ↓)
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レア役のエルザさんは何だか気品があって
美しいんだわ。
彼女を見てるとね、
目の色といい、顔の輪郭といい、
アタイはモジリアーニの絵を思い出すんだわ。
もうまさにモジリアーニの絵の実写版!
って感じで。
アタイずーっとモジリアーニが描いた女性は
デフォルメだと思ってたのよね。
あんなに面長で、鼻筋が通ってて
スリムで、目が青い女性なんて
現実に居ないと思ってたからね。
でもエルザさんは彼の絵から
抜け出してきたような容貌なんす。
すごく似てるわーって思ってたら。

Wikiで彼女のフィルモグラフィーを見てたら
「モジリアーニ」ってのがあったので
まさしくそういう映画に出てたらしい。
やっぱりね!
モジリアーニを連想したのはアタイだけじゃなかったんだね。笑
こちらがモジリアーニの絵。↓
アタイの記憶ではもっと似てるのがあったと思うんだけど
ネットでは見つからなかった。
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妹夫婦が養女にしてるベトナム人の
女の子がこれが超かわいいんだー。
多分6歳くらいの女の子なんだけど
こしゃまぐれてて、おしゃべりで
いかにも6歳の活発な女の子!ッて感じ。
顔はアジア系だけどしぐさとかは
完全にフランス人だから
なんか見てて面白いなーって思う。
この子がホントに良い味出してるんだよねー。
子役には勝てないっていうけど
まさにそんな感じ。

この映画の評価は
☆☆☆☆で星4つ。
薄ら暗い雰囲気の映画だけどおすすめですわー。

ドイツ語だけどトレイラーはこちら。↓



「ベルリン・5月1日」
主演:ルートヴィヒ・トレープテ、
ヤコブ・マチェンツ、
ペーター、クアト
監督:スヴェン・タディッケン、
カーステン・ルートヴィヒ、
ヤン・クリストフ・グラーザー、
ヤコブ・ツィームニッキ
公開:2008年

こちらはタイトルからしてドイツ映画。
ベルリンのクロイツベルク地区で
5月1日に4名に起こった出来事を描いてるんだけど
これが最終的にみんな病院に終結するので
4名がニアミスになるように出来てて
なかなか面白い。
この映画は多分日本未公開なので、
ネタバレでガンガン内容を書いちゃう。笑
って上の映画も書いちゃったんだけどね。

ストーリー:
5月1日メーデーは労働者の日ということで
各地でデモが行われる。
ドイツではクロイツベルク地区に
わんさかと人が集まって、
デモを大義名分にして若者が暴動を起こしたり
警察部隊に反抗したりと
ちょっとした騒ぎになる。
そんな日にクロイツベルクに集った人たちが
体験したことが描かれてる。

一組目は18歳の少年たちペレ君とヤコブ君。
彼らは田舎の町からベルリンへと
危険や冒険を期待しながら観光でやってくる。
ヤコブ君はビデオカメラで日記を撮影
する趣味があって、
いろいろと出来事を撮影してる。
デモに参加しつつも、ただ騒ぎたいだけの
若者は訴える内容も無いため
すぐに退屈してしまう。
クロイツベルクと言えば
ギャング風トルコ人が多く住むことで知られてる。
そこでトルコ人少女に出会い
ドラッグを買おうとしたり。
トルコ人ギャング少年に襲われて殴られたり、
逆にたまたま手にしたピストルで
トルコ人少年を追い払ったり。
波乱万丈な一日。
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最後は少年たち二人でクラブへ行って
お酒を飲んだり、ドラッグを楽しんだり。
そのうちヤコブ君がオーバードーズで
倒れて救急車で病院に搬送される。
助かる見込みが少ないなか、
ペレ君はヤコブ君が撮影したビデオ日記を
見てみたところ・・・。
最後の映像ではヤコブ君が何粒もの
ドラッグをどか食いしていて、
最初のシーンでは、ヤコブ君が
彼のオジイサンをピストルで撃ち殺してる
シーンが撮影されいた・・・。
その映像を見てショックを受けたペレ君は
泣きながら病院を後に・・・。

もう一組は警察官のウヴェさん。
彼は奥さんを愛してるにも関わらず
奥さんは肉屋の男と浮気をしている。
奥さんはベジタリアンなのに何故肉屋が相手なんだ!
と彼は悩んで落ち込んでいる。
上司の人いわく
「ヨメに浮気されたならお前も
風俗に行ってこい!
お前も浮気していいんだぞ!」
とそそのかされて、クロイツベルクの
デモを警護中にも関わらず娼婦を買いに。
映画評/2本_c0016407_3261586.jpg

事に及ぼうとした際、道路で暴動が起きて
無線で呼び出され、大慌てで服を着て
勤務に戻るも。
うっかり足を滑らせて鼻をケガしてしまう。
その上、ピストルまで紛失して
大慌てで娼婦館へ戻るものの
護衛のギャングに殴られ、
そのまま病院へ連れて行かれる。
奥さんに未練がある彼はそのまま
自宅に戻り、結局は今までどおりになりそうな感じ。

そして3組目と4組目は同じ。
オッサンのハリーと
トルコ人の子供ヤヴツ君。
ハリーは往年のデモ隊員と言うか、
昔はデモで大暴れしてて
体制に逆らっていたタイプ。
そのまま年をとってしまって
古臭くなったためイマイチ最近のデモには
馴染めていない、でも昔を忘れられないタイプ。
トルコ人少年ヤヴツ君はお兄さんたちが
トルコ人ギャング団であるため
自分も早くお兄さんたちに混ざりたくて
大人の仲間入りをしたくてうずうずしてる。
今回のデモを機会に、警察官をぶん殴って
やっつけたい!と血気盛んになってるが
お兄さんからは子供は家に居ろ!と
相手にしてもらえない。
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そんな折にであったハリーは自分を
一人前に扱ってくれ一緒にデモを
体験させてくれた。
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だが本来は警官を殴るつもりだった武器で
ハリーを殴ってしまって
そのまま逃げてしまう。
そしてそのあとヤヴツ君は後悔にさいなまれ
病院にハリーが運ばれていないかを
確認しに出掛ける。
そこで実の兄がデモで怪我を負って
運ばれているのに遭遇。
それにショックを受けて「大人になりたい!」
とはいわなくなるヤヴツ君。
そしてそのまま病院でハリーにも無事遭遇。
ハリーに「ごめんなさい・・・」と
謝るヤヴツ君。

とまあこんな感じかな。
ってこれストーリーの全部かも。笑
なんかね、どのエピソードも
暴力的で危うい雰囲気なんだけど
でもドイツ的なハートがあるというか。
見ていてアタイは大変良いなあって思ったのだよ。

クロイツベルクと言えば実際に
70年代とか80年代にはもっと激しく
パンクスが暴れて警官との暴動があったらしいんだけど
今は暴れるための口実っぽくなってる感があるよね。
ま、時代は変わるってことで。
そんでこの映画はクロイツベルクにたむろする
トルコ人ギャングをも描いてるのが面白い。
まさにアタイらが持つトルコ人のイメージそのもの
と言うか。
あれを見れば、トルコ人がドイツで嫌われる理由が
分かるだろうなーという感じで
まさに現実を映像化してる。

クロネコがこの映画を見入ってしまったのは
一組目の少年たちが見目麗しいのに加え。笑
なんか、少年特有の危うさをかもし出してて
それにすごーく惹きつけられたからなんす。
彼らったら。
カッコイイだけじゃなくて演技もピカイチなんす!

この子達要チェックだわー。
と思ったけど、フィルモグラフィーを見ると
彼らが出てる他の作品を幾つか
見たことがあることが発覚。
でも全然覚えてないなー。笑
うーん。

にしてもねー。
このヤコブ君役の青年は(左側の青年ね)
本名もヤコブ君って言うらしい。
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ヤコブ・マチェンツ君って言うんだけど
彼ってば顔立ちが大変クロネコの好みにマッチしてる。
そんでもってスタイルも良いし。
けどこんな美しい青年も後数年たったら
見る影も無く衰えてしまうんだろうね・・・。
ドイツ人てばそのギャップが悲しい。

そんでもって。
彼の親友役のペレ君も良い味出してるんだわ。(↑右側の人ね)
本名はルートヴィヒ君っていうんだけど
演技力が半端無く素晴らしい。
クロネコ彼の演技にぐっと来ちゃったー。
ああいう友達欲しいなーって思う。

ま、そんなこんなで。
実は昨日見たのは再放送だから
クロネコってばこの映画を2回も見たんだよね。
とにかくお気に入りざんす。
クロネコの評価はもちろん
☆☆☆☆の星4つ!

こちらもドイツ語だけどトレイラー。笑↓

by kuronekomusume | 2010-08-15 03:35 | 映画評 | Comments(4)
Commented by Reedy at 2010-08-15 22:59 x
「エルザ・ジリベルスタインさんにモジリアーニを連想」にすごく共感です!!
映画のモディリアーニが好きなので…というか出演者が好きなので、クロネコさんが書いていらっしゃるのをみて嬉しくなってしまいました(笑)
Commented by kuronekomusume at 2010-08-16 21:19
Reedyさんは映画「モディリアーニ」を見られたんですか?私はまだ見てないんですが、ちょっと興味がありますねえ。
エルザさんは本当に彼の絵の女性にそっくりですよねえ。笑 最初見たときにものすごく驚きました。笑
Commented by Reedy at 2010-08-18 13:04 x
あっすみません、
>映画のモディリアーニが好きなので
って書きましたけどまだ見てないんです。。
次の
>出演者が好きなので
に引っ張られて間違えました…
映画が「気になってるので」に訂正です。
もしご覧になったら、また映画評待ってます!
Commented by kuronekomusume at 2010-08-22 03:29
Reedyさん、レスが遅くなってしまってすみません~。
映画モディリアーニはReedyさんも未見なんですね。
私はテレビで放送してたら見るかも・・・というレベルですけど、でも見てみたいですよね。笑