死して屍拾う者無し

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ザクセンハウゼンの写真

何日か経ってから写真を見てみたら
見れなくも無かったし、
デプレッシヴになることも無かったので。
ザクセンハウゼン強制収容所の写真を
まとめることにした。

ので。
興味ある方は下の「ザクセンハウゼン」を
クリックして見てみてくださいな。

グロテスクでは無いですが
あんま暗い歴史を見たくないなあ~
って人は無理に見なくていいかなと。

あと、どうでもいい話なんだけど
フランクフルトにある人気住宅エリアが
その名もザクセンハウゼンという名前なんだよね。
最初聞いたときは聞き間違いかと思ったけど
住民たちは普通に呼んでたので問題無いんだと思う。
アタイには強制収用所のイメージの方が
強くて、同じ名前のエリアに住むのは抵抗があるんだけどな。




強制収容所跡の受付の建物とその入り口。

コンクリの壁はデザイナーさんの
建築だと思われます。
悪くないなあと。
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入場無料です。
オーディオガイドを借りたい場合のみ
2ユーロ必要。
当然日本語ガイドは無いよ。

通称「収容所通り」を通って入り口のゲートまで
歩いていく。
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この通りは収容所と外部を隔てる役目も
あったようで。
こっちが外界。
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隔てた反対側にある建物は当時SSの官舎だったそう。
まさに、収容所を取り囲むようにして
ナチス親衛隊の官舎がずらーりと並んでるのが
ザクセンハウゼン収容所。
仮に脱走できたとしてもSSに取り囲まれてるので
とてもじゃないけど逃げるのは無理だったんじゃ・・・
と容易に想像できますね。

怖い怖いSSの人たちは収容所のすぐ外に住んでたので
ささっと職場の収容所へやってきて
ビシビシ囚人を取り締まってたのかと。
と言うより囚人をいたぶってたんでしょうね。
こちらがその指令所のゲート。
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松林や、右側に見えるのが当時SS隊員が
通っていたカジノだとかで。
今は収容所の展示ミュージアムの一部です。
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ザクセンハウゼン強制収容所はナチスドイツが敗戦した後
ベルリンを占拠したソ連軍にすぐに発見されて
そのままソ連が戦争捕虜収容所として
10年ほど使ってたそう。
なのでステンドグラスや内装が
バリバリのコミュニズムデザインです。
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余談ですが。
東独時代の建物に入ると、独特の臭いがあって。
アタイはその臭いをかぐとすぐに
共産主義時代に居るかのような錯覚に陥るんですが。
この建物もあの臭いがしました。
でもココは東独以前からあるので、ナチス建築の
臭いなんでしょうかね!?

そしていよいよ強制収用所のゲートへ。
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アルバイト・マハト・フライ。
働けば自由になれる・・・が出迎えてくれます。
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一歩中に入ると。
だだっ広い敷地が見渡せます。
パノラマで見ないと見渡せないほど広い。
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アタイがこの収容所をすごいなと思う点は
やはりこの敷地デザインにあるかと。
ここは収容所の敷地が正三角形になってるんです。
三角形の底辺部分が入り口になっていて
そこから三角形が狭まっているという。
とても不思議な形をした敷地です。
そして。
その中に扇形のように囚人用バラックが建ってるという。
普通は四角い敷地内に、整然とバラックが並んでるように
想像するんですが、ココはえらくデザイン性があるんです。
何故なのか、調べれば分かるんでしょうけど
コレ以上深入りしてもあれなんで
理由はスルーしますが。

この収容所は古いようで、ベルリンオリンピックが
開催されてるころには存在したようです。
派手なプロパガンダをやってる影で
政治犯や、ナチスに歯向かうコミュニストを
ココへ集めて虐待してたそうで。
そう。
この収容所はまずは政治犯が集められてたんですよね。
すぐにユダヤ人だらけになりますけど
最初は政治犯用キャンプでした。
ミュージアムで当時の映像を見たんですが
政治犯たちは私服のまま収容されてて
広場でSS監視の下、体操をやらされてましたよ。

なんとなーくですが。
ドイツ人が集団で体操をしないのは
この時代の忌まわしい思いを消すためかもしれないです。
日本人が集団で会社で朝の体操をやってるのを
今時のドイツ人は奇異な目で見てますが
彼らにはナチス時代の嫌な思い出なのかも。

収容所を囲む壁。
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ニュートラルゾーンつまり、砂利のところに入ったら
即撃ち殺しますんで!って書いてある。↓
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今はだだっ広い敷地に見えますが
当時はたくさんバラックが建ってたようです。
多くは倒壊したのか、爆破されたのか不明ですが
残ってません。
変わりにその名残として、バラックのあった場所が
整備されて大き目の石がしかれてます。
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クロネコは、この景色を見ているだけで
当時の建物の様子がありありと見えてきて
建物を間をそぞろ歩いてるユダヤ人囚人たちの
姿までが目に浮かんできて。
この写真を見てても容易に想像が
できるのは、普段からドキュメンタリ映像や
写真を見てるのと映画とかのせいかもしれない。
でもおかげで、暗い気分になってくるんだよね。

幾つか残ってるバラックは、補修されて
中が見れるようになってる。
ので中に入ったんだけど。
これが。
60年以上経っていても大変現実味があって
中の空気もにおいも独特のものがあって
重たかったです。
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まず入るとバスルームと言う名の場所があって。
足をあらったり手を洗ったりできるようになってる。
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写真撮るの忘れたけどロッカールームもあったし。
トイレもあった。
幾つかの便器はコンクリで埋め込まれてたんだけど
それが余計にリアルで。
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そしてこちらがバラック内のベッドルーム。
3段ベッドが所狭しとたくさん並んでる。
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一つのバラックは真ん中にトイレがあって
ベッドルームが2つに分かれてた。
ざっと数えて1つの部屋に150人分くらいのベッドがあったので
1バラックにつき約300人くらいが居たのではと。
全部で60棟のバラックがあったようなので
18,000人ほどを収容してたんじゃなかろうかと。

毎日たくさん死んでたようなのと、
欧州中から集められたユダヤ人が収容されてた
ようなので、やっぱりそれくらいは随時居たんじゃ
無いかなあと思われます。
死んでてもすぐに片付けてくれなかったようなので
しばらく遺体が転がってたことも多かったそうで。

そんで。
こちらは収容所内にさらに囲まれた収容所があって。
その中にある建物跡。
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ココにはちょっと有名人系の囚人が
入れられてたそうです。
社会主義政党の党員とか、キリスト教の神父さんとか、
連合軍のパイロットとか。
もちろんVIP扱いなんて無いから
普通の囚人より過酷に虐待されて
殺されてたようです。
この吊るしようの棒は、最初首をつるものかと
思ってたんだけど、さっきガイドを見てたら絵があって
手を頭の上で縛ってココに吊るすための
ものだったことが判明。
拷問だから首吊りより過酷だったかと。
首吊りもあったようで、ジワジワと絞まって
死んでいくまで吊るしてたようです。
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またその反動か、現代ドイツ人は首吊りを嫌う傾向が
強い気がします。
日本の死刑が絞首刑制度だと言うと
かなり露骨に嫌な顔をしますよ。
意味合いが違ってもやってることが野蛮であるとでも
言いたいのかなあと。
うちの弟いわく、日本の絞首刑は頚椎骨折だから
即死だよとのことだけど。
まあ、そういう問題でもないのかも。

話を戻すと。
こちらは独房だけどコンクリだからか、
中はものすごい冷え込んでて寒かった。
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特別独房の場所から出てまた敷地内へ戻ったら
なんとなーくこっちの方が開放感があるような。
ま、地獄と地獄を行き来してるだけなので
ただの錯覚なんだけど。
地獄に階層を作るだなんてすごい発想だよね。

三角形の敷地のちょうどてっぺんに当たるところに
40mもの高さがあるモニュメントが建ってます。
これは戦後東ドイツ政府が建てた物だそうで。
なのでちょっと共産主義チックです。
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途中にまたバラック跡があって
そこは囚人用の食事を用意してたところだとかで。
なんとここは地下がある。
こんなバラックに地下があること自体、
アタイには驚き。
ココは今は展示室になっていて
映像試写室もあって、30分ほど当時の映像を
まとめたものをじーっと見ました。
SS隊員怖すぎ。

遺体焼却路跡を通り過ぎて。
なんだかこの頃にはすっかり頭の中が
重苦しくなってて、写真を撮るのを忘れた。

そして、次に入った建物がすごかった。
入り口にはシンティとロマ用って書いてあったので
ジプシーはここに連れてこられてたのかなと。
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中はタイル張りになってて。
もうその時点で嫌な予感。
タイルってことは洗い流しやすいようにしてるってことで。
なんで洗い流す必要があるのかと言うと。
人体実験やってたのかなあと。
ココでは想像力を働かせないほうが良いかと。
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この建物には地下があって。
そこは死体安置所になってたそうです。
結構広くて、全部壁はしっくい。
でもこの中の空気が重くて重くて。
死体を山積みにしてたんだと思うと
恐ろしい場所です。
写真は撮ってないです。
空気が重過ぎるとどうやら写真を撮るのも
忘れるようで。

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うーん・・・ととことん重たい気持ちのまま
寒い風に吹かれながら最後に入った二つのバラックが
これまたすさまじいところでした。
その名も「病棟宿舎」。
でもそんな病人をわざわざ治療してあげようだなんて
優しい心を持ったナチスなわけは無いので。
何をやってたのか?と言えば。
それはもうやりたい放題の医療と言う名の
人体実験しかないわけで。
強制不妊手術だの、割礼だの、
病気にして殺すだの、ありとあらゆることを
やってたようです。

この二つの人体実験バラックの中は
床を直接歩かないですむようにしてるのか、
はたまたただの建築デザインなのかは不明だけど
ガラス板が下にしかれてて
ちょうどこの上を歩くようになってる。
でもまあ床の上をじか歩きするのは
気分が落ち込むのでこういう間接的な気遣いは
収容所訪問者にはちょっと助かるかもしれない。
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驚くのは、このバラックにも地下室があって
さらに驚いたのが、この2つの人体実験バラックは
地下で繋がってるんですよ。
補強、補修工事をしてあるのでアタイら見学者も
地下通路を通れるようになってるんだけど。
このナチスの発想は一体ナンなんだろう?!って
もうアタイの理解を超えてました。
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って言うか、そもそも収容所内なんだから
別に地下でつなげなくてもいいんじゃ?って
思うんだけど、多分実験で切り刻んだ遺体を
そのまま地下から運んでたのかもしれないね。
で、この建物の中で焼却してたのかなと・・・
なんせこのバラックには煙突があるんで。
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この人体実験バラックからは松林が見える。
この右側には犠牲者たちの集団墓地があるって
ガイドに書いてあったけど。
アタイはもう疲れ果ててて見にいけなかった。
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心身ともに疲れ果てる収容所見学です。
結構長い時間居たけど、全部は見れてないと思う。
あの40mモニュメントのすぐ外にはソ連軍が作った
収容所跡もあったみたいだし。
ザクセンハウゼンからちょっと離れたところには
「死の行進」跡もあったようなので
結構見逃してる。

でもまた来るかどうかは分からんなあ。
重すぎますんでね。
よっぽど気が向いたら来るかもしれないけど。

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ココは負の空気が漂ってるんでねえ。
強制収用所跡の中に居ると空気が数度違ったよ。
外に出て駐車場に行くと3度ほど暖かかったもん。
とにかく今の時代でもこんなすさまじい
重たさがあるんだから、
当時はどんだけ悲惨な場所だったんだろうと
思ってしまったよ。

収容所には行けないけど、興味あるなーと言う人は
映画を見てみてはどうでしょうか。
ノンフィクションでとても面白い内容です。
収容所の中も良く分かるしで。

英語タイトルは「counterfiters」だったかな。
邦題は不明だけど日本語版あります。
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以上です。
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by kuronekomusume | 2012-04-22 08:12 | 旅行記 | Comments(6)
Commented by ATAC at 2012-04-22 19:10 x
画像の公開、ありがとうございました。

見ているだけで息が詰まる感じがしました。
Commented by kuronekomusume at 2012-04-22 22:11
ATACさん。写真で見ると・・・どんよりなお天気で、さらに薄暗い重たい空気感をかもし出してますよね。
ここは長らく東独政府が管理していた事もあってか、西側の強制収用所跡よりも当時の雰囲気が残ってるんじゃないかと思われます。西側は小ぎれいに整備しすぎてますので。
機会があれば訪問してみてください・・・でもそれならアウシュビッツの方が良いかも?!
Commented by イク at 2012-05-25 11:58 x
初めまして。
この夏にザクセンハウゼンかダッハウどちらに行こうか迷っていましたがクロネコさんのレポでザクセンハウゼンにしようと決めました!
詳しいレポありがとうございます★
Commented by kuronekomusume at 2012-06-09 01:35
イクさん、レスが遅くなってしまってごめんなさい。
この夏に強制収容所後へ行かれる予定なんですね。私がダッハウへ行ったのは17年も前なので記憶があいまいですが、それでもザクセンハウゼンのほうが断然当時の様子を色濃く残していて、色々考えることが出来ると思います。バラックに入ると木の臭いまでしますから・・・気持ちがタイムスリップしてしまいますよ。私は時間が無くて全部を周りきれませんでしたが(気分も落ち込んでしまったんですが)、ぜひ色々見てまわってみてください。
Commented by sora at 2013-04-24 20:45 x
クロネコさん、ザクセンハウゼン収容所のレポート有り難うございます。
随分前に書いていたのをいま読みました。クロネコさんのお家にお邪魔した年にここに行きたかったのですが、行きそびれていたのですが、広いですね。写真からもあの収容所に残る独特の空気感が伝わってきます。

収容所は、舞台装置のようにいまはこぎれいですが、確かに伝わってきます。私もたくさんの映像記録や文献に触れているせいか、クロネコさんがいうSSやユダヤ人の囚人の姿が目に浮かぶようです。

確か、日本でも映画が公開されました。偽札を作ってた収容所でしたよね。ここは、撮影はできるのかな。ぜひドイツ方面に行った際にはいきたい。今、フランスの教育、文化施設で「ショアー」をずっと見ています。
Commented by kuronekomusume at 2013-05-22 05:30
soraさん。
ザクセンハウゼンは私も長らく行きたいと思っていながらも、なかなか足が遠のいていた場所で、昨年やっといけたんですよね。
写真だけでも重たいですが、実際の空気はもっと重かったですねえ。全部見て周れなかったので、本当はもう一度行くべきなんでしょうけど、今の私には負のパワーが強烈過ぎてもう行けない気がしますね。こういうのは心身ともに元気じゃないと無理ですから・・・。
でも一度は行く価値あると思います!