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死して屍拾う者無し

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ドイツ人の騒音問題

ご近所の騒音問題は日本でも
ドイツでもどこにでもあるんだけど。

ドイツ人のすごいところは
いちいち法律にしてあったり
アパートだと賃貸契約書にルールが
書いてあったりする点。

一応常識の範囲内で、
こんな大きな音を
させては近所迷惑だな・・・
とか考えるもんだけど。

ドイツ人は、うるさい音を立てる人が
一般常識に欠けることが多いのか。
はたまた、とにかく騒音を嫌う人が多くて
何としてでも静けさを守る!という
執着を見せてるからなのか。

その両方かな。

ドイツには「静かにする時間」なるものが
法律で定められていて。
でもドイツ全土で有効なのでは無くて
州によって内容が異なるそうです。

よく知られてるのが
夜の10時以降~翌朝6時か7時までは
うるさくしないと言うやつ。

そんで、昔は有効だったけど今は大して
誰も気にしなくなってるのが
昼間の静かにする時間!!
平日の!
昼間の!
13時~15時の間は静かにしましょう~!
って言うやつ!!

これね、今はすたれつつあるらしいけど。
年寄りはいまだこれを主張してくるんだよね。
信じられる?
この時間帯に静かにすると言うのは
どういうことかというと。
子供が騒いではいけないんだよ。
子供が楽器の練習もしちゃいけない。
昼間なのに。
ひるまなのにー!!!

いや、もう気が狂ってる文化だよね。

州で法令化されてなくても
上述したように賃貸契約書に書いてある
場合があるから。
要注意なのだ。

他人の音に敏感ですぐ文句をつける人というのは
どこにでもいるけど。
ドイツ人は特にそれが激しい。
年齢とか関係なく。
年寄りに顕著だけど急に歳をとってから
人格が変わるわけは無いので、
若い人でも文句やは居る。

そういう人は、静かにする時間のことは
当然のことながら。
静けさを享受する権利を常に主張するので。

アパートの上の階の人の一挙一投足に
イラつくらしく。
とことんチェックして苦情を言うんだよね。

たとえば。
家が安普請だと、上の階の人が部屋を歩いてる
足音が聞こえるんだけど。
(アタイんちはすごくよく聞こえるよ)
それがもう我慢できないらしく。
うるさーい!!!ってなるんだそうな。

トイレを流す音もダメ。
夜中のシャワーは30分以内じゃないとダメ。
(人によっては夜10時以降のシャワーは
許さない!ってのも多いらしい)
子供が騒ぐ音はもってのほか。
電話の声もうるさい。
掃除機は日曜日にかけるな。
スピーカーから聞こえる音がうるさい。

アタイが今まで聞いたのはそんな感じかな。
アタイの友達や知人が上記の苦情を言われて
あまりに頻繁にいいに来るので
辟易して引っ越した・・・っていうケースが
多いかな。

いやもう。
ドイツ全土どこでも起こりうるから。
下の階がお年寄りだと100%。
絶対苦情が来る。
覚悟しましょう。
上記のことは基本的に賃貸契約書には
書いてないし、
法律上認められてる生活音なんだけど。
それが我慢ならない!
って人がドイツ人には大勢いるってことなのだ。

すごいよ、ドイツ。

コツとしては。
賃貸アパートに住むなら、
ご近所も若者が多いところにすれば
多少彼らもうるさいけど、
自分の騒音に文句をつけられることはない。
つーか。
自分の騒音って生活音なんだけどね。
生きづらい国じゃのう。笑

けど。
高級アパートでもまあまあ面倒くさい。
というか、高級なほど面倒くさい。
多少大きな音で音楽を聴いてしまった日には!
アウト。
即苦情きますから。
分譲だから自分ちなのに。
ご近所も永遠にご近所なのに。
近所づきあいとか気にせず苦情をいいに行く。
それがドイツ人気質。

でね、アタイの住むエリアは
いわゆるオルタナ系というか
あんま年寄りがいないエリアなんすわ。
だから気楽~って思ってて。

そしたらある日アパートのドアに
張り紙がしてあってね。
あら、大家さんからの告知かな。
面倒くさいけど一応目を通しておくかな。
と思って読んでみたら。
それは英語文だったのですわ。
アタイからみたらまあまあハイレベルな
キレイな英語文。

けど内容は厳しい内容で。

「誰か窓をあけたまま昼間、
楽器の練習をしている人がいるようです。
他の住民もいますから迷惑です。
ここは住居であってリハーサルルームでは
ありません。
気をつけてください。」

って書いてあった。
あ、なるほどね。
誰かが昼間楽器の練習をしたんだね。
そっか、そっか。
うるさいから我慢できず
張り紙とかしちゃったんだー。
ふーん。
と思ってよくよく張り紙を見たら
なにやらその紙に赤いペンで
手書きしてあって。

「わざわざこのような注意書きを
してくださってありがとう。
ですがこのようなアパート全体に
関わるような告知は私大家に
権限があります。
別途連絡を流しますので
お待ちください。
大家より」

みたいなことが書いてあって。
ふん、ふん。
なんか大家さん的には
出すぎた真似をしやがるやつがいて!
みたいなちょっと怒りが涌いてるんだろうか?
って思ってて。

で、そのまま忘れてたら
数日後に大家さんからメールが来た。

「居住地秩序について」
みたいなタイトルだったかな。

おお。
こないだのやつだ。
と思って添付を読んで笑えた。

このアパートでは音楽大学の学生さんを
好意的に受け入れています。
彼らが静かにする時間以外に練習をすることには
窓を閉めていればなんら問題はありません。
以前窓を閉め忘れて練習をしていた人に
余計な忠告を出す人がいましたが
そんなことは不要です。
逆に音楽大学の学生の練習を妨げるような人には
私から別のアパートを紹介して差し上げますので
この建物に無理やり住み続けてもらわなくても
結構です。
出たい人はご連絡ください。

また、音楽大学の学生への嫌がらせに
呼び鈴を壊しているケースが見受けられました。
このような卑劣な行為を私は許しません。
場合によってはしかるべき対処をさせて
いただきます。

大家より


って書いてあって。
大家さん。
大家さん。
めっずらしい人やねー。
騒音とか大家がまっさきに文句つけそうなのに。
むしろ学生側だったとは。
意外な展開にアタイは笑っちゃった。

確かに、うちのアパートはチェロとか
コントラバスとか、バイオリンとかを
演奏する音がちょくちょく聞こえてくるんだよね。
一応みなさん音楽大学に行かれてるから
そこそこうまいし、
ぜんぜんイラつく音量じゃないしで。
アタイは何も気にしてなかったんだけど。
むしろ。
昼下がりのゆったりした時間に
弦楽器音が聞こえてきて
良い感じ~くらいに思ってたので。

つーか。
こういう大家さんは大変珍しいかと。
ま、だからといってこの大家さんが
ものすごく良い人かというと
そうでもなくて。
普通の大家さんです。
単に音楽が好きなんだろうなと。
それだけな気がする。

ま、そんなこんなな。
騒音問題なのでした。

by kuronekomusume | 2017-04-20 01:25 | 日記 | Comments(0)