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死して屍拾う者無し

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明日でおわり

いやー、長かったような
思ったより早く過ぎ去ったような・・・。
そんなリハビリの3週間でした。
ってまだ終わってないけど。

明日が最終日。
で、あさって朝出発してデュスに
帰ります。
金曜日は一日中移動。
なんせ、ここはドイツのはずれのはずれで
ほとんどチェコかオーストリアみたいな
ところだからね。

1週目は勝手が分からなくて、
ものすごいカリキュラムの量にあたふたして
なんとかがんばってこなしたら過ぎ去ってた感じで。
2週目は慣れたからか、すぐ過ぎて、
そして3週目はもっと早かったー。
さすがに今週はカリキュラムが減ってきてて
あんまり詰め込みじゃなくなってたのですわ。

それでも先週くらいから
クロネコの一日あたりの運動量は
かーなーり多くなってて。
自分の人生においてこんなに運動をしたことは無い!
ってくらい運動をしたなー。
今後この中からどれをどれくらい続けられるか?!
が課題ではあるけど。
まあ、いくつかは試せそうだなーと思ってる。

先週あたりからのアタイの一日の
運動は大体こんな感じ。
ノルディックウォーキングで山の中を早歩きで1時間。
ジムで筋力トレーニング20分、
自転車こぎ20分、
カーディオ20分、
水泳30分

うーん。
やっぱりすごいよねー。
自分でも驚くわー。
でも大体このメニューを毎日こなしてたんだよ。
すごい、すごい。
これ以外にも、カリキュラムが組まれてたからね。
なかなかの運動量よー。

筋肉痛が常習化してる感じで
身体が筋肉痛で痛いような、
痛くないような不思議な感覚です。
最初の週は疲れて眠たくなってる気がしてたけど
リラクゼーションのカリキュラムもあるから
気がついたらそんなに疲れてないみたいで
睡眠時間も7時間くらいですっきりするしで。

・・・。
恐るべしリハビリ生活だよ。
すっかり心身ともに健康になった感じがする。

とはいっても、
まだ身体の痛みは取れてない。
多少は痛みが減ったかな~程度です。
運動で減らせるものじゃないのかも・・・。
にしても悔しいわー。
乳がんって何が大変って、
転移と再発だと思っていたけど。
実は、わき下リンパ節を取ってる場合の
後遺症こそが実生活上では大変だと思う。
そんなの病院は一言も言ってくれなかったし、
まわりで同じ手術をした人も
後遺症が無い人が多かったから
アタイ一人が痛いんだろうか?
って思ってたんだけど。
ここへ来てみたら、痛いって人が多くて
ちょっと救われたー。

話し変わるけど。
ここでいろんな人と話していて
分かったんだけど。
ドイツでガンになった人って、二度このリハビリ制度を
受けられるらしいんだわ。
一度目は治療後すぐで、二度目は1年後だって。
・・・。
ドイツってばすごい国だね。
福祉大国だと思うわ。
とはいえ。
クロネコ二度目は要らないやーって思っちゃった。

いやね、ここで習ったこととか
講習を受けたこととか、
思う存分自然の中で楽しめることとか、
毎日運動三昧な環境に浸れることとか、
マッサージを受けられることとか。
それはそれは有意義だと思うし
楽しいんだけど。
一度でいいやーって思うんだよね。

このリハビリ内容はすごく良いんだけど、
一年後にまた老人とかガン患者に
囲まれるのがすごくすごく嫌だなーと思って。
治療から1年経ってる人たちだけで一緒にスポーツを
するなら良いけど、
まっさらのガン患者と一緒にリハビリをするのは
空気が重くて嫌なのよ。
結構ヘビーなもんだよ。
病み上がり直後の人ってどうしても
落ち込んでるし、雰囲気が暗いから
一緒に居たくないんだよねー。

クロネコは幸い、同じグループの人たちが
結構明るい人たちばかりで、
お陰様で楽しく過ごすことが出来たので
ラッキーだったなあってつくづく思うんだけど、
他のグループとか、テーブルの人を見てると
くらーい感じの人も居てさー。
アタイはとてもじゃないけどああいうのとは
一緒に居られない・・・
って思っちゃうんだよね。
別に差別とかじゃなくて、自分の精神を
健全な環境に置きたい!ってだけの話。
これは・・・重たい病気をしたことがある人なら
分かる気持ちだと思うんだー。

もうアタイはこういう人たちの
中に放り込まれるのは嫌だ!
と思ってる。

本当にアタイはリハビリが最初は嫌で嫌で
しょうがなかったんだけど、
慣れてきたら平気になって
みんなと仲良くなったので
来て良かったなーと思ってます。
陳腐な言葉ではあるけど、
絆みたいなものがグループの中で
出来た気がするんでね。

なんか、みんなと話してて共感できたんだけど
「やっぱり同じ病気を体験してる人じゃないと
分からないモノってあるよねー」
ってことなのよね。
健常者には分からないであろうこの気持ち。
当然医者にも分からない。

心配してくれる人の思いはものすごく
ありがたいし、それが無いと寂しいんだけど。
罹患した不安とか孤独、
そしてリンパ節を取ったことで起こる痛みや
身体的不都合については
経験した人じゃないと分からないこともあるから
ここへ来て、同じ思いをしてる人たちと
多少なりとも言葉を交わせたことで
少し気持ちがほぐれた気はしてるんだわ。

とはいえ。
それぞれ受け止め方も考え方も
今後の対処方法も
ライフスタイルもすべてが異なるから
何でもかんでもご一緒に!
ってのは不可能。

クロネコはすこーしだけは主観的なところで
他の人たちから元気をもらえたかなあと思っていて。
あとは、客観的な視点で、他の人たちが
どういう治療法を選択していて、
それによってどういう症状をかかえていて、
どういう食事を取っているかを見て取れたかなあと。
なんかに興味があったので
かなりウォッチしていたところがあるかな。
いろいろ面白いなあと思っちゃった。

そうそう。
クロネコ最終的には・・・イトウシロウさんと
かなり仲良しになっちゃって。
なーんか馬があったというかね。
ほんとに、普通のドイツのおばあさん!
って感じの人なんだけど。
60歳になるまで一度も一人で電車で
旅行に行ったことが無かったらしくて
ここまで来るのも不安で不安でしょうがなくてさー!
って言ってて。
ドイツくんだりまで移住してきてるクロネコから
見たら、それぐらい簡単じゃないのー
って思えるんだけど。
なんだか箱入りな感じがかわいらしくてね。

病気になったって言うのに、一切食べ物に
無頓着で、どかどか砂糖とかお茶に入れて
飲んでるし、パンにはバターを厚ぬりしまくってるしで。
最後にはリハビリで体重増えちゃったわー!って言ってて。
イトウシロウさんてば・・・。
最後、クロネコが食卓から砂糖を
隠してみたんだけど
見つかっちゃったよー。笑
砂糖がないとお茶が飲めない!ってこれまた
典型的ドイツ人みたいなこと言うんだよね。
クロネコ今度イトウシロウさんにアガベシロップを
プレゼントしてあげようかな。

彼女は80年代に買ったような
古臭い水着を間違えて持ってきちゃったのよー
がはははーって笑ってたので
それ見てみたい!って言ったら
クロネコに見せるために、夕方水着に着替えて
プールに行く前にちょっとベッドに横になってたら
水着着たまま寝ちゃったらしく、
起きたら夜中の12時だった!がはははー
って言ってて。
かわいい人でしょ!笑

でも昨日彼女と話してたらやっぱり
たくさん落ち込んだんだー
って言ってて。
しんみりしちゃったよ。
ま、デュスの隣町にすんでるから
気が向いたら遊びに行くわよー!
って言っといた。
今日の朝ちょっと早起きしてロビーまで
お見送りに行ったら、超喜んでくれたよ。笑
イトウシロウさん、電車の乗り換えちゃんと
出来たかしらー。
微妙にみんなで心配しちゃったよ。
そういうおばちゃんなのです。

イトウシロウさんはクロネコ以上に
ホームシックになってて、とにかく一週目は
暗かったんだけど、徐々に明るくなって
みんなと最後は打ち解けれたみたい。
他の人いわく、クロネコがたくさん
話しかけてあげてたからだよーとのことで。
クロネコ、単にイトウシロウさんのことが
気に入ってただけなんだけど、
なんだか役にたってたんだとしたら
ちょっとうれしいなって思った。
ま、お互いに多少刺激しあえたのかも
しれないね。

でも、クロネコ自分のことが
すこし分かったかもなー。
アタイは相当人見知りのようです。
前からこんなんだったかしらーって
思ったけど、今回は人見知りだったよ。
と言うか、ドイツ人だらけの中に
日本人一人っきりで放り込まれたのが
生まれて初めてだったからかも。
多少なりとも心細かったのかも。
なんだかんだ、いつもなら多少は日本人が
いるからさー。
あと、あんま人と、と言うかドイツ人と
仲良くなりたいと思ってないんだなあと。
ひとりっきりになりたいと言う思いが
やっぱり強いんだなあと思った。
これが日本人が一緒だと違うんだけど・・・。
だからといって、ドイツ人から誘われたらうれしいわけで。
うーん、複雑だねえ。笑

それにしても。
ほぼ毎日プールで泳げたのがアタイとしては
本当に楽しかった。
クロネコ泳ぐの大好きだからね。
部屋で水着に着替えて、バスローブをはおって
エレベータに乗ったら、もう目の前がプールなんだもの。
なんて恵まれた環境なんだろう!!
って何度も何度も思ったよ。
で、夜8時半とかにプールに行くと
誰も居なくて、一人っきりでプールを独占して
泳げちゃうわけなのよ。
もう最高!
ゆったり自分だけが立てた波を見ながら
泳ぐのって贅沢だなーって思う。
ああ、それももう明日で終わり。
これだけは寂しいなあー。
デュスに帰ったらプールまでちょっと遠いし、
お金を払わないといけないし、
プールは人でごった返してるしで。
こんな極楽のような環境にはもう
出会えないだろうなーと。
ま、思う存分泳いだから良いかなー。

残り一日がんばります!
by kuronekomusume | 2013-09-12 03:20 | 日記 | Comments(4)
Commented by kao at 2013-09-13 23:58 x
残り一日、リハビリお疲れ様です!これって何かとても変ですが、内容を伺ってるだけでキツ過ぎてやはりお疲れ様です…になってしまいます。^^...

同じ病気をした人でないとわからない。そうだと思います。リトマス紙にあっという間に水が吸収されるように、同じ経験を通りすぎている人だったら気持ちを説明しなくても伝わること、分かり合えること。ひとりでもその部分をシェアできるひとがいることで、それがかけがえのないリハビリになり薬になるのではないでしょうか?
Commented by ゆたか at 2013-09-14 12:53 x
りはびりお疲れ様です。
療養ではなく「りはびり」でしたね。
ドイツ人はタフでちょっとした痛みは我慢どころか気付かないイメージ持っていました。他の入院(?)患者と仲良く過ごせて良かったですね。
私の感覚では「来週からまた仕事かあ」とため息が出ますけれどくろねこさんはいかがでしょうか?
Commented by kuronekomusume at 2013-09-16 06:29
kaoさん、
どうもありがとうございます。
なんとか3週間のリハビリを終えましたー。予想していた以上にハードな内容でしたが、運動をする癖がつけられたかなーと思ってます。この感覚を忘れないで日常に組み込んで行きたいなと思ってます~。

まあ、同じ病気をした人だと、状況を理解しているので、とんちんかんなことを言ってきたりしないと言う安心感があります。
ドイツ人は優しい言葉を掛けてるようでいて、考え無しなところがあるので、病人に嫌な思いを与えることがあるんですが、そういうことをみんな体験していたので、何だか面白かったですね。
「あー、そういうの分かる~!」ってのが何回かあってみんなで顔を見合わせて笑ったり~ってのが楽しかったですね。
まあ、健康な人も悪気は無いんでしょうけど、病人は必要以上にセンシティブになってますもんで。笑
同じ病気の人に会うのは抵抗があったけど、実際会ってみたら割りと打ち解けられたので良かったです。
リハビリは行って良かったと思ってます!
Commented by kuronekomusume at 2013-09-16 06:33
ゆたかさん、
本当にリハビリと言う呼び名がぴったりの激しいプログラム満載の3週間でした。
知らないドイツ人なんかは、マッサージを受けてゆったり出来て最高だよーとか言いますけどねえ・・・。笑

私が手術を受けた病院の医者いわく、日本人女性の方が痛みに耐え偲ぶ人が多いといってましたよ。ドイツ人は痛い痛いと騒ぐといってましたし、南欧系は針をさす前から大騒ぎするといってましたんで・・・。笑
まあ、日本人は言葉が分からないので、痛みとか恐怖に対して表現の仕方が分からないというのがあると思いますが、それでも耐えるほうなのかもしれないですねー。

それから私は今週1週間自宅療養が義務付けられてます。てっきりすぐに仕事復帰かと思ってましたが、ここはドイツですから、リハビリからの療養が必要なんだそうです。
なかなか仕事に戻れないので、さすがに「来週から仕事かあ・・・」と言う重い気分にはならないですね。良いのか、悪いのか・・・。笑