コメントへのレスを書いてて
ドイツでの「リハビリ」について
思い出したので紹介がてら書いておこうかと。
ここのブログを長らく読んでくださってる方は
クロネコが罹患して、そのあとリハビリ施設に行って
っていう経緯を知ってると思うけど。
それらをまとめてかいつまんで書いて。
かつ、ドイツの医療制度もかいつまんで書いて。
そんでもって。
それらをクロネコ独自の視点で
どう思うかも書いてみようかと。
正しいとか、正しくないとかそういうことじゃなくて
クロネコが自分の経験を元に
直感的に感じた思いなので
どう思うかは人によって違うかもね。
アタイも自分が乳がんに罹患して
知ったことが多いんだけど。
ってまあ、知らないでいられればそれに
越したことは無いし、
出来ればアタイも知らないままでいたかったなー
って思ったりもするけど。
これが無かったらアタイはベルリン行きを
決断しなかったかもしれないので
それはそれでそうなる筋書きが
自分の人生にはあったんだろうなと
受け入れてるんだー。
辛い痛い経験だったけど
それを経験したからこその今の自分があるし
考え方やライフスタイルもガラリと変わったから
逆に良かったと思ってるくらい。
いわゆる・・・「ガンに感謝」っていう
心境にクロネコは辿りついてしまったのですよ。
これ、誰でもはたどり着けないところらしいです。
おおまかに説明をすると。
ドイツラントでは基本みんな健康保険に
入ってます。
前にも書いたことあるけど健康保険には
2種類あるんだけど、それは今回は関係無いので
省きますわ。
ドイツラントでは、健康保険に加入してると
ガンに罹患した場合、
入院費、手術費が100%カバーされて。
放射線治療と抗がん剤治療も
100%カバーされる。
ついでに。
会社によるけど、病気療養で休みに入ってから
2ヶ月だか、3ヶ月は75%給与が支給されて。
(既に期間と数値を忘れてる・・・大体そんなくらいだった)
それ以降は健康保険側が給与の75%を
支払ってくれる。
そういう仕組みになってる。
だから病気になってもある意味
生活は保障されてる。
それがドイツの健康保険。
ちなみに健康保険の会社は一般企業なので
何社もあって、自分で好きな会社を選べる。
会社員だと保険料は会社が半分負担してくれるのだ。
なので。
ドイツでは病気になっても
「あー、病気治療で入院してたら
来月の給料がもらえなくなるー」
とか。
「入院費とか、手術、抗がん剤代が
支払えるかなー」
とか。
そんな心配は基本要らない。
だからこそ。
ドイツでは、ガンに罹患した人は
怖い怖いとガンの恐ろしさにおびえはしても
お金のことは心配しなくても良いので
なんにも考えず、医者が言うとおりの
診断と治療方法に従うんだと思う。
何も心配しなくて良いんですよ~
って言う甘い言葉に乗せられて。
まさに舞台は整ってるわけなんす。
手術の前にクロネコは
MRIも受けたし(ドイツ語ではMRTという)
骨を全身スケルトンでスキャンするやつもやったし。
その他術前の検査をいろいろやった。
どれもこれも放射線系のやつばっかで。
今思えばどんだけアタイは
浴びちゃったんだろ的なね。
そもそも。
マンモグラフィーも浴びまくりだよね。
ほんと。
手術を受けるとなると、その前段階から
体に悪いことのオンパレだよ。
ああいう放射線マシンの技師さんたちは
スイッチオンにしたら、どっか別室に
ちゃちゃっと移動するんだけど。
患者であるこっちはそのまま
浴びるからね。
ちきしょーめって感じ。
でもそういう高額放射線機器での
検査も全部保険がカバーしてくれてるので
お金の心配は要らない。
それより放射線の線量を心配しなきゃね的な。
そんな感じだよ。
で。
現代医療のベルトコンベアに乗せられた
患者のシープルたちは
悪徳医療フルコース三昧になるんだわ。
手術を受けて。
そのあとは普通は抗がん剤。
でもクロネコは抗がん剤の前に
なにやら怪しげな検査をやったんだわ。
正式名称を忘れたけど(カルテを見れば分かるんだけど
面倒くさいので省略)、
いわゆる「遺伝子検査」なんす。
なんでも手術で摘出した腫瘍の一部を
ベイコクの遺伝子検査をやってる会社に送って
そこで遺伝子的に再発する確率を調べるという
現代医療のがん治療の中では
進んでいるとされてる検査方法で。
これが通常日本円で40万円くらい
かかるんだけど、保険会社がカバーしてくれるから
大丈夫ですよ!と悪徳医師がアタイを
説得したんだよね。
へー、そうなんだーと思ってね。
「仮に保険会社が払いません!と言ったとしても
自己負担は3万円程度ですし、
遺伝子的に検査も出来るんだからやる価値は
ありますよ」
といわれてね。
クロネコ了承したんだわ。
結果的には、保険会社はカバーしない!って
はねつけてきたので(検査は終わってた)
自腹で3万円支払ったし。
なおかつ、検査中にクロネコこれは
無意味な検査だなって気がついたんだけど。
いわゆるペテン臭いというかね。
この検査の結果を元に乳がんセンターの
悪徳医師どもは
「クロネコさん、あなたは遺伝子的に
再発する危険性がすごく高いという結果に
なってますから抗がん剤治療をしなくては
なりませんよ。」
って説得するための材料として
利用してるに過ぎなかったからね。
まー、ひどいもんだよね。
しかも。
あの街に住んでる日本人はたいていが
日系企業に勤めてて
ある程度生活基盤がしっかりしてるから
保険会社からお金をふんだくれる!
と金づる扱いされてるふしもあって。
(クロネコの読みだけどね)
と言うのも、同じ病院にいたシングルマザーの
トルコ人女性は、そんな検査勧められてないって
言ってたし。
他のドイツ人患者も勧められてなかったのよね。
で、アタイとアタイの知人日本人女性は
この検査をやらされてるんだわ。
なんつー確信犯的病院なんだ!
って感じで。
ちなみにこの検査は本当にこの業界では
(乳がん業界ね)先進医学として知られてて
他の医者と話したときも
「へえーそれやったんだー!進んでるね」
みたいな反応をされたんだよね。
ちなみに3年前の時点で日本では
導入されて無かったよ。
良かったねー。
あんなもん不要だからね。
不要ではあったけど、クロネコには必要でも
あったのがこの検査だったんだわ。
というのが。
ベイコクで検査をしてたので
検査結果が出るまで4週間くらいかかったんだよね。
で、クロネコその間、色々調べて調べて
考えて考えて。
そんで、「抗がん剤拒否だ!」っていう
結論が出たんだわ。
だからこの期間あってこその抗がん剤拒否なのよね。
これが無くても抗がん剤は拒否したと
思うけど、うまい言い逃れを考える余裕が
無かったと思うし、自分の意思を固める
時間も必要だったから、
ある意味この検査は必要悪なのですわ。
そんなわけで。
クロネコは無事に抗がん剤を拒否したんだよね。
でもこれは本当に大変だったのよ。
医者5人に囲まれて脅されて。
もちろんドイツ語でだよ。
まあその件については、今回は省くわ。
また機会があれば書くと思うけど。
思い出すだけでも辛いから。
それくらい大変だったのよ。
抗がん剤を拒否してから
そのあとクロネコが受けた治療は
放射線治療。
たしか・・・30日間コースじゃ無かったっけ。
(これまたもう記憶があいまい)
毎日5分ずつ放射線を左胸全体に
浴びると言う治療で。
これを土日いがいでやるのよ。
30回ね。
けど。
クロネコ実はその時弟の結婚式が
予定されててね。
その日は絶対フランスへ行くと
決めてて。
逆算すると間に合わないのが
分かっててね。
放射線治療は別の大きな病院で
やったので、そこの医者に相談したら
じゃあ28回にしますかね。
って回数を減らしてもらえた。
・・・。
なんじゃそりゃ。
じゃあ25回でも良かったんじゃ?
って思うよね。
まあ、でも28回行きましたわ。
これもねー。
ひどいもんだったよ。
最初の2週間くらいは全然平気で。
何の後遺症も副作用もなくて
余裕極まりなかったんだけど。
3週目あたりから急激に体力が落ちて
セキが止まらなくなって夜寝てるときとか
苦しくて苦しくて。
原因不明の腹痛もあったし。
とにかく大変だった。
ずーっと体がだるくてね。
そりゃあ白血球がガクンと減るから
当たり前なんだけど。
でも回復するまで2ヶ月近くかかったよ。
とにかく最悪の経験だったな。
もう病院が嫌いで嫌いで
大嫌い!って思ってたので
さっさと治療を終わらせやるーって気分だったよ。
二度と病院になんて世話になら無いぞ!
って誓ったのよね。
そんで。
放射線治療を受けた旨を保険会社に
伝えたら。
「じゃあリハビリもやりますかね」
って言われて。
リハビリねー。
なんでも3週間ほど保養地に行って
運動とかするやつらしくて。
これも保険でカバーされるし、
給与も70%くらい出るというね。
でもあとで分かったんだけど
この期間の保険は健康保険じゃなくて
「年金保険」がカバーすると言う
仕組みになってる。
ドイツラントってばそういう感じで
仕組んでるんだよ。
良い悪いは別としてね。
じゃあ、リハビリに行こうかなー
と思って。
でも本来は、治療を決めてる医者が
決定して、その病院お抱えの
ソーシャルワーカーが
書類に記載をして申し込みをしてくれるんだけど。
クロネコは自分で決めたので
自分で書類を書いて提出しなきゃ
ならんかったのだよ。
やりましたけどね。
そんで。
3週間ほど南ドイツ、バイエルンの山奥で
講義を受けたり、
スポーツをしたり、スポーツをしたり
スポーツをしたり・・・
スポーツ三昧の日々を送ったのでした。
運動嫌いのクロネコだったので
まあ、あんだけスポーツを集中して
やったのは人生で初めてだったし
二度と無いだろうなって思う。
スポーツを色々できたのは良かったけど
やっぱり病気をした人が400人も集まってる
施設だったので、雰囲気が暗いし
老人が多いしで。
あんなとこ二度と行きたくないわー!
ってこれまたクロネコを強くしたのでした。
ちなみに。
ガンに罹患した人はこのリハビリを
2回受けられるんだよ。
年に1度を2回。
クロネコは二度目はパスした。
というか、もう会社員じゃなかったので
そんなことしてらんないし。
上述したように、老人と病人の中で
スポーツをするのがもう嫌だったのもあってね。
けど。
アタイが行ったときは割と二回目の人が
多かったので皆二回受けてるんだと思う。
まあ保険でカバーされてるからね。
考えなくても普通に行けるんだから
行っとくかーってことなのかと。
ちなみに。
リハビリ施設では、講義はすべてドイツ語だし、
スポーツ指導も、一緒にリハビリを受ける人たちも
全員がドイツ人だから当たり前だけど
ドイツ語なんだよね。
クロネコ人生でこんなにドイツ語にまみれたこと
無いわーってくらいドイツ語だらけの
環境だったよ。
なので。
外人は基本居ない。
いてもドイツ語ぺらぺらの人だけ。
そんな感じ。
これがクロネコが受けた一連の治療だけど。
放射線治療に通ってるときに
毎朝会う女性がいてね。
彼女も放射線治療をしてる人で。
その前は抗がん剤治療をしたと言ってて。
「これが終わったらリハビリに行けるから
すごく楽しみ~。
辛い治療のご褒美みたいなもんね。」
って言ってたのよ。
すーっとこの言葉がアタイに残ってて。
ご褒美かあと。
なるほどね。
これはクロネコ考えなんだけど。
ドイツの医療としては。
辛くて厳しい現代医療の
三大治療をまずはがん患者に受けさせる。
手術、抗がん剤、放射線とね。
でも。
どれも患者の体をボロボロにしてしまうから
医師たちも忍びない気持ちになったのかも
しれない。
それに痛めつけただけでは
根本治療にならない!
それなら、スポーツをして体を鍛えて
いろいろな講義を受けさせて知識を増やして
健康な生活を送れるようサポートすべきでは!
それも保険でカバーすることで
医療費を削減できる!
と考えたのが始まりなのかもしれないと。
だから、リハビリはご褒美なのかもと。
でも。
逆に言えば、これは飴と鞭の仕組みにも見える。
むしろクロネコはそう思ってる。
シープルたちに三大医療をやらせて
保険からお金をふんだくって
医師たちは儲かる仕組みを作ってる。
でもそれにシープルが気がつくと
騒ぎ立ててうるさくなるから。
リハビリというご褒美を与えて
黙らせればいいんだ!
と考えたのかなと
取れなくも無いわけで。
それらは全部保険でひとつの流れとして
ベルトコンベア式にシステム化されてる。
患者のことを考えた良い仕組みに見えるし。
実際現場で働いてる人は本当に
患者のことを考えてるし
親身になってくれるし
良い人たちだからね。
なので良い制度なんだと思う。
とにかくシープル患者たちは何も考えなくて良い。
そもそも病気になって怖くて
パニックになってるシープル患者は
そういう仕組みについては考えないから
ある意味医療側は安泰なんだけど。
とてつもなく巧妙に仕組まれてるから
パッと見、いい制度に見えるし
現代医療と代替医療をうまく組み合わせてて
理想的な制度を築きあげてるように
思えるんじゃないかなと。
クロネコはそんな制度知らなかったので
まあ、オファーされるなら受けるかなー
くらいの気持ちでやってみたクチで。
で、色々体験してわかったのが
恐ろしく巧妙に出来てるなーってことだよ。
抗がん剤を、放射線治療を
断らせないために全部仕組んでるじゃ
無かろうか?
と思ってしまうほど巧妙。
クロネコはもうこの制度の中に
入るつもりは無いよ。
十分経験したし、学んだし。
仕組みが見えてしまったから
もう不要なのよ。
クロネコシープルとして
一連のものを経験して
人体実験をしてクロネコは学んだよ。
医療制度がどこまでも網羅されてて
恐ろしいなーってね。
カモにされたら終わりだね。
ドイツラントは違う意味で
医療先進国だよね。
二度とあちら側には行かないよ。
行ってはいけない。
あ。
そういえば。
抗がん剤治療が効かないことを
前提でクロネコは書いてるので
そこんところを踏まえてない人が
読んだら、クロネコ大丈夫か?
って思っちゃうよね。
でも。
抗がん剤は効かないからね。
やっちゃダメだよ。
やったら確実に死に近づきます。
自分の体をいたわりたいなら
やってはいけない。
今はネット上にたくさん情報が出てるから
クロネコはいちいち書かないよ。
自分で調べて、自分で納得するしかない。
そうしないと人に、医者たちに
すぐ振り回されるだけなので。
決めるのは自分だからね。
これがリハビリまで含めた
ドイツのガン治療医療制度だよ。
以上です。
おやすみなさーい。