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死して屍拾う者無し

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クロネコ、演劇について語る?!笑

世界の蜷川氏がお亡くなりになられたという
ニュースを読んでまして。
80歳まで現役でがんばられてたんだー
とか。
いろんな俳優さんを育てられたんだー
とか。
そんな普通の感想しか抱いてないんだけど。

というのも。
アタイねー。
舞台を見たことがほとんど無いんですわ。

そうだな、日本では無名の人たちの舞台を
いわゆる小劇団ってやつかな、
そういうのを2回くらい。

あとは。
子供時代におっかさんに連れられて
見に行ったなんらかの舞台。

それと歌舞伎。

そんなもんです。

ドイツにきてからは
去年11月ごろ日本人友達に誘われて
ベルリンで小劇団の舞台を見た。

ほんとアタイの舞台観劇暦はそんなもんです。

やっぱさ。
耳が良くないと舞台は聞き取れないから
大変よね。
ってどうでもいいことを思ってたりする
クロネコでして。
演技うんぬん以前にせりふが聞き取れるかな?
っていうね。
それがドイツ語だとなおさらね。
ドイツ語聞き取れても意味分かるかなー
みたいなね。

歌舞伎は様式美をアタイは楽しんでるので
あんまセリフには重きを置いてないというか。
正直言葉が昔の言葉だから
何言ってるのか聞こえても意味が
分からないからってのがあるんだけど。
でも着物や踊りや、演出とか邦楽とか
五感で楽しめるから好きなのよねー。

でも舞台はどうなんだろね。
値段が高いんじゃ?
とか。
やっぱそういうこと気になるよね。

でね。
最近ドイツ人友達何人かと
たまたま舞台について話す機会があってさ。
それでクロネコ初めて知ったんだけど。

ドイツ人にとっての舞台っつーのは
「政治的な意見および批判を表現する場である」
っちゅーことらしいんだわ。
知ってた?
知ってた?
クロネコは知らんかったよ。

でもドイツにおける舞台、つまりテアターとは
政治的な意見を表現する場みたいよ。
だから政治的な意見が入ってないなんて
舞台じゃない!という扱いなんだそうで。
チャラチャラした演技は問題外だけど。
たとえ役者さんたちが卓越した演技で
誰かの役を演じて、
なんらかのストーリーを見せたとして
その中に政治的意見や批判が織り交ぜられて
無ければ、それはただの駄作。
という扱いなんだそうです。

おおお。

そうなんだ、そうなんだー!
とクロネコは目からうろこでしたよ。

ドイツの有名な劇作家の、ベルトール・ブレヒトが
まさにそう主張してるんだそうで。
”役への感情移入を基礎とする従来の演劇を否定し、
出来事を客観的・批判的に見ることを観客に促す
「叙事的演劇」を提唱した”
とのことだからね。

つまりね。
インテリじゃないとドイツでは演劇なんぞ
出来ないわけなんすわ。
演出とかね。
オノレの主張が無いと出来ないからね。
で、見るほうも、演者や演出家の
政治的主張や意図をオノレで解釈せにゃ
いかんわけだから。
それなりの知識なんかを求められるという。

なんつー、高度な娯楽なんじゃー!!!

とアタイは思いまして。
適当に舞台を楽しんで見たいもんだわー
と思ってるクロネコには向いてないんじゃ
無かろうかと。

じゃあドイツでは古典とかどうなるのよ?
って疑問がわいてくるでしょ?
そういうのも全部現代風に置き換えて
アレンジ加えちゃうのがドイツ流舞台らしいよ。

プッチーニの「蝶々夫人」を例に説明
してくれたんだけど。
オリジナルに忠実に~ってのはマレらしくて。
ストーリーを今現代の問題に置き換えるパターンが
主流なんだそうで。
たとえば、タイにおける欧州男性の
売春ツアーを題材に、蝶々婦人のストーリーで
表現する・・・みたいなね。
で、音楽はプッチーニの蝶々夫人らしくて。
ただ、こういうぶっ飛んだ手法はなかなか
傑作には結びつかないらしく、
割と駄作で終わるパターンが多いから
見に行くときにかなり慎重に調べないと
駄目なんだって話だったよ。

そんでもって。
たとえばワーグナーのオペラなんかも
今のドイツで演じるなら確実にナチスがらみの
演出になるんだそうで。
まあヒットラー総統がワーグナーに入れ込んでたのは
有名な話だから、そうなっちゃうのはしゃあないっちゃー
しゃあないんだけど。
なので、普通のオーソドックスなワーグナーの
オペラってのはドイツじゃ見れないみたいよ。
クラシカルなのは政治表現が入ってないから
駄目ってことで。
ぬぬぬー。
ドイツ演劇界ってばややこしいね。

そういえば、アタイが唯一見に行った舞台も
つーか割とミュージカル風だったけど
セリフの至るところに風刺が込められてて、
ナチス的要素もちりばめられてたんだよね。
こういうのアリなんだーってそん時は思ったけど
ドイツ人友達いわく、
それが普通だよってことだった。
にゃるほどねー。
にゃるほどねー。

で、日本の演劇界はどうなの?
どういう政治的風刺を入れるの?
って聞かれてね。

アタイそもそも舞台とか見ないし。
演劇から距離とってるつーか。
映画とか映像は好きだけど
舞台はちょっとねーと思ってるし。
ミュージカルなんて、いちいちセリフをいうところを
歌っちゃうから、うっとおしくて
むしろ大嫌いだし。
そんな、舞台オンチなクロネコに
日本の舞台事情とか聞いちゃいます?
みたいなね。

で、クロネコの勝手な印象で
答えちゃったんだけど。
普通の日本の演劇舞台っちゅーのは
「役への感情移入を基礎とする」
っていういわゆる、昔風のやつよね?
政治的な風刺とか、批判なんて
織り交ぜてることはあんま無いよね?
もしかすると小劇団とかが
原発反対の意思を込めた舞台とか
やってるかもしれないけど。
渡辺えりこさんなんかは政治批判的な
舞台とかやられてるんだろうかね?
よく分からないんだけど。
でもたぶん・・・
いわゆる商業演劇っちゅーのは
もうまさに「役への感情移入」をやってなんぼ!
の世界じゃなかろうかと。
日本の有名な俳優さんは基本的には
政治的な表現なんかしないし
そんなことしたら干されるよね。
危険すぎて誰もやらないでしょ。
スポンサーつかなくなるし。
そんなことしたのは・・・
山本太郎ちゃんくらいよね?
太郎ちゃんはだから政治家になっちゃったもんね。
そういう手しか無いよね?

だから、
「日本では演劇というか舞台での
政治的な意見、批判を表現することは
基本的には無いと思う」
って答えたんだけど。
どうでしょ。
あってるかな?

演劇界、舞台に詳しい人が読んだら
「こんにゃろ、クロネコ
見当違いのウソで日本演劇界を
おとしめるんじゃないっ!」
って思うかもしんないけど。
どうなんだろね。

で、アタイがこう答えたら、
友達のコンスタンツェは超びっくりしてて。
「じゃあ日本人は一体どこで
政治的な不満や批判を表現してるの?」
って言ってたわ。

・・・。
・・・。
「えーと、特にそういう場は無いと思うな。
しいていえば、インターネットで垂れ流す程度かなと。
芸術とリンクすることはあんま無いと思う。
商業的じゃないニッチなところでは
あるかもしんないけど・・・」
と答えるのがやっとでございましたわ。

でも、日本の演劇人が
「アベシンゾーのクソみたいな政権にはうんざりだ!
あのバカ男を演劇で批判してこき下ろしてやる!」
みたいなことやってるとは思えないんだわ。
「戦争法案なんか通しやがって!
アベは辞めろ!な内容で舞台を表現してやる!」
みたいな声も聴かないし。
クロネコが知らないだけで結構東京の
アングラ演劇じゃ主流だったりするのかな?
どうなんだろ?
まあ、少なくとも蜷川氏はそういうのじゃ無さそうだよね。
なんとなくそんな気がする。
うん。

とまあ、演劇っちゅーもんは
ドイツにおいてはブレヒト理論が浸透してる様子です。
とにかく政治的。
「政治的じゃないものは演劇にあらず!」
それがドイツの演劇だそうです。

クロネコ割と政治的な考えを持つのは
好きだけど。
演劇でそれをみるのはなんか疲れそうで
気が乗らないんだわ。
気楽にX-MEN新作映画をのほほーんと
映画館で見たいもんです。

あ、でもユダヤ陰謀論批判みたいな
舞台があるなら見てみたいかも。
それ探し出すのが面倒くさいけど。
なんせベルリンじゃ、
すごい数の舞台が上演されてるからね。

以上、クロネコのとんちんかんな
演劇論でした。笑
by kuronekomusume | 2016-05-16 03:57 | 日記 | Comments(4)
Commented by ゆたか at 2016-05-28 00:01 x
確かにドイツの演劇は政治色が強くて面白くないと思っていた。でも日本はもっと政治色があっていいかも。
ちなみにワーグナーのオペラはドイツでもナチスと結び付けて演出するのは少ないと思います。逆に知性がないと思われる。バイロイト等ではワーグナーファミリーが運営している事もあって絶対そんな演出は許可しないでしょうね。でも「ショック戦術」の演出はここ20年程続けています。一昨年バイロイトへ行きましたが、「ニーベルンゲンの指輪」に関してはあまりにも演出がひどかったです。舞台はテキサス、神々はチンピラで石油を当てて石油王になる。何故かマルクス、レーニン、毛沢東の肖像が出てくる。演出を近代的にするのは決して悪い事ではないが、原曲を無視して演出家のエゴの無理やりのこじつけは品も知性がないですね。
Commented by おかる at 2016-05-29 16:15 x
日本は政治や社会情勢に無関心であっても、平穏無事に?生活できるような環境だってことも影響しているかもしれませんね。何で読んだか失念しましたが、「政治に関わりたくなくても、政治の方から私達の生活に入り込んでくる」という一般市民の声を目にした時、日々惰性に生きている自分を省みました。
メディアを通じて政治を斬るのは、肩書きが「政治評論家」のみ許されている風潮もありますし、政治屋にとっては治めやすい国なんだろうなって思います。
Commented by kuronekomusume at 2016-06-12 18:41
ゆたかさん、
ショック戦術的な演劇演出は・・・ドイツではよくあるみたいですね。そしてゆたかさんも書かれてるように、演出家のエゴ丸出しでぶち壊しになってしまって駄作となる・・・パターンが多いようです。
とはいえ、友人いわくベルリンではそういう演出が主流のようです。それを聞いてさらに演劇への足が遠のきそうになってる私です・・・初心者的には、オリジナルに忠実にやってくれー!という思いがありますんで。笑
Commented by kuronekomusume at 2016-06-12 18:46
おかるさん、
「政治に関わりたくなくても、政治の方から私たちの生活に入り込んでくる」はぐさりと来ますね。
日本は、平和で良いといえば良いんですが、政治から関わってはこないですよね。関われないような風潮にされてしまってますし、日本人の民族的なものもあって関わりたくないのもある気がします。(他人事?)
個人的には、関わったら社会から排除されるような風潮が問題だと思います。