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死して屍拾う者無し

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ベルリン・ウンター デン リンデン

菩提樹の下で
という名前がついてるベルリンのメインストリート。
文字通り、通りには1キロ以上に渡って菩提樹が植わってます。

この通りの名前を知ったのは高校時代の国語の授業。
森鴎外の舞姫を読んだときです。
主人公がベルリンを初めて訪れた時、街のすごさに感動して
その様子を描写してるんですけど、
高校時代は、
ウンテル、デン、リンデンねえ・・・。ふーん。
と思っていた程度。
でもドイツ語を勉強して、ドイツに、ベルリンに初めて来たとき
看板に通りの名前を見たときに
「ああ、ウンター デン リンデンってココのことだったんだ!」と
やっと分かったのでした。

鴎外が当時留学でやってきた時に感動したのと比較には
ならないでしょうけど、でもアタイも相当感動しました!
そしてその感動は何度も何度も来てる今でも変わりません。
鴎外も感動したんだなあと思うとそれもまた感慨深いのです。
まさに「此三百年前の遺跡を望む毎に、心の恍惚となりて
暫し佇みしこと幾度なるを知らず。」といったところ。
(舞姫より)

いや、別に鴎外の作品が特別好きな訳ではないんですけど。
ドイツ語を勉強した時点でアタイにとって鴎外は尊敬に値する
人物になったのです。

今から100年以上前にベルリンに留学してただけでもスゴイこと。
恐らく当時はたとえようも無いほど不安で苦労も多かっただろうなと。
日本食なんて絶対無かっただろうし。
日本だってドイツ人たちは知らなかっただろうし。
アタイなんて西洋人コンプレックスがあったから留学当時は
ついつい卑屈になってしまってたのに、鴎外は常に卑屈にだけは
ならないようにと誇り高く生きていたとのことですし。
当時新聞紙面でドイツ人と議論を交わしてたそうですし。
何と言ってもドイツ人女性と恋に落ちてますし。
今の時代でも小さく収まってしまってる自分を見るにつけ
ああ、なんてスゴイ人だろう!と尊敬してやみません。

なんて書いていながら実はまだ鴎外博物館へ行ってないんですよね。
ウンター デン リンデンの近くにあるんですけど、
ベルリンのど真ん中に彼は留学中住んでたってことなんですよね。
やるなあ。
まあそのうち絶対行きますから。

この通りはブランデンブルク門から始まっていて、通り沿いには
1800年代からある建物がズラリと並んでます。
そのどれもが歴史的な重厚な建築物なので、一つ一つを
眺めるだけでも、それはそれはスバラシイ感動に浸れるのです。

最近は銀行や企業(プジョーとかフォルクスワーゲンのショウルーム)や
テレビ局も進出してきてる模様ですけど、やはり美術館や
博物館はちゃんと今でも存在しているのです。

↓これは図書館。建物の入り口には大学の名前が書いてありましたけど
図書館だそうです。
恐らく最近やっと修復工事が終わったのではないかなと。今まで何度も
来てるのに見たこと無かったので。
ベルリン・ウンター デン リンデン_c0016407_459409.jpg


↓ノイエ・ヴァッヒェ
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戦争記念館。もともと戦前に警備館として造られていたらしいですが
戦後に戦争記念館となったそうです。
中は厳かな空間になっていて、真ん中に彫刻がぽつんと置かれています。
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天井に丸い穴が開いているのでそこから空が見えて太陽の光のみが
空間の明かりになってます。
静かな空間に入ると、とても心が穏やかになって争いの無い世界を
望む気持ちが自然と湧いてくる感じです。
聖なる空間だなあと。
「私たちはすべてのナチス被害者を忘れない」
と入り口に書いてあります。
ベルリン・ウンター デン リンデン_c0016407_581837.jpg


↓隣にはベルリン・フンボルト大学。
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その隣はドイツ歴史博物館。
その向かいはドイツオペラ劇場。
などなど・・・。

↓そして突如この建物が目に飛び込んでくるのです。

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これは旧東独政府の国会議事堂。
東西ドイツ統一後、ここはモダンミュージアムになったそうなんですが
その直後、アスベストが見つかったため、何億円?!も何年もかけて
この建物の解体工事を進めているわけです。
アタイの知る限り少なくとも4年間はこの姿をさらしてます。
前日は二つ垂れ幕が下がっていて一方には「死」、もう一方には
「死は無い」と書かれていましたけど、
この日は「死」が無くなってました。なぜ?
もともと戦前この地には王宮があったとかで、
アスベスト東独政府館を解体した後で王宮を復活させよう!という
案もあるそうです。
割とドイツ人は戦争で破壊された昔の宮殿とかを意地でも
復活建築させるのが好きな民族です。
だから第二次世界大戦で壊れつくした街並みもほぼ復活再現
させてます。
この点が日本と全然違いますね。

↓そのアスベストの向かいにドーンとあるのが大聖堂。
中は有料なので、外の正面芝生でくつろぎながら大聖堂を見て
大聖堂の鐘を聞いてました。
いつもこのスケールに圧倒されます。
ベルリン・ウンター デン リンデン_c0016407_5255865.jpg



↓その隣には博物館。

ベルリン・ウンター デン リンデン_c0016407_5293762.jpg
このエリアは美術館と博物館が集まっているので、ミュージアム島と呼ばれてます。
中には入らず遠めにその美しい建物を眺めていました。
芝生の上でソーセージ食べたり、りんごかじって、ベルリンを満喫。
やっぱりウンターデンリンデンは心が和みます。
そして幸せいっぱいの気分になれます。

そうこうするうちに飛行機の時間が近くなったのでバスで本日二度目の空港へ。
朝ミラノへ旅立つYちゃんたちを見送りに行ってたのでした。
Yちゃんとの別れはちょっと寂しくなりそうだったので、
あまり深く考えないようにしました。
日本でもいつもアタイはベルリン、ベルリンとYちゃんに話をしてたんですけど。
今回一緒にベルリンをまわって観光を楽しめたので、なんだかすごいなあと
思いました。
洗脳大成功!

ベルリン テーゲル空港からデュッセルドルフ空港まで片道45分。
近いなあ。
また来よう。
いや、いつか絶対住むぞ!!
by kuronekomusume | 2005-09-22 05:12 | 旅行記 | Comments(0)