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死して屍拾う者無し

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邦画へ

最近は洋画ばかり見ていたので、
そろそろ邦画を解禁しちゃおうかな~と言うことで
大好きな邦画畑へ戻って参りました!
わーい!
洋画も面白いけど・・・。
でもやっぱイイね、邦画は!
なんで世間はハリウッドにばかり注目
してんだろう~?!

などと偉そうに言っておきながら、
実はアタイには「邦画好き!」と言い切れない
後ろめたい部分がありまして。
それは・・・、
古典邦画を見てないってこと!

そうなのです!
名作と言われている古典邦画をほとんど
見たことが無いんですよね・・・。
ほとんどカラー映画しか見たことが無いから
そんなんで邦画を語るんじゃない!と
誰かに言われやしないかと、
ドキドキハラハラしておりました。

てなわけで、前置きが長くなりましたけど
(前置き以外もいつも長いけど。)
とうとうアタイも見ちゃいましたよ!
クロサワ作品を!
あ、厳密にはむかーし昔、15年近く前に
「8月のラプソディー」を見たことがあったんですけど、
(リチャード・ギアが出てるやつね)
それがスーパーつまらなかったので
クロサワは大したこと無い!
と勝手に決め付けてたんですよね。
でもそれは彼の後期の作品でしたから、
今にして思えばそんなもんでクロサワを
評価しちゃあ、邦画を語る資格が無いどころか、
日本映画界からも袋叩きにあうところだった
んですけど。

まあそんなわけで、
今回日本からDVDで持ってきてた
クロサワ作品「七人の侍」を
ついに見ました!

もうね、マジすげえの!
拍手喝采!ちあきなおみも幕あいちゃう!
とにかくね、さすがだわクロサワ!って
思うことしきり。

この映画1954年の撮影なんだけど、
戦後10年以内でよくもまあ、こんなスバラシイ
映画が撮れたもんだ!って思う。
ほんと僭越ながらリスペクトさせて
いただきやっす!

なんかね、時代が戦国時代なんだけど
武士とお百姓の様子がものすごくうまく描かれてて
その時代を知らないアタイでも
多分この時代って武士と言ってもこんな感じで
貧乏くさかったんだろうな~とか
とってもすんなり理解できるんですよ。

ほら、最近の侍映画だとどうもコギレイに
撮影されちゃってるから(カラーってのもあるけど)
なんとなーく、武士は結構お金持ってる!
みたいな勘違いをしちゃいがちで。
でも本当はこんな感じなんだろうなって
ちょっと認識新たにしてみたり。

登場してくる武士たちも、お百姓たちもすっごく
貧しいんですけど、でもほほえましくて。
なんだか映画の中にタイムスリップ
出来ちゃう懐かしい感じ。

この映画ね、結構長くて多分2時間以上あるんだけど。
古い映画って、今の映画みたいに
テンポ良く撮られていないから、
もたついた演出にイライラしてきちゃうことが
結構多いんだけど、
この映画にはそれが無いんですよ。
長いのに、飽きさせないのが巨匠の演出なんでしょうね。
そして、作品も単なる痛快時代劇ではないところが
世界のクロサワたるゆえんなんだろうなあと。

ストーリーの根底には士農工商の身分制度があって、
己の運命を嘆くだけの百姓たち。
臆病だけど実はとてもずる賢い百姓たち。
でもどこか憎めない百姓たち。
作品全体には暖かな雰囲気が流れている。
でも死を覚悟した侍たちの振る舞いに
単なる勧善懲悪モノでは決して見ることのない、
深い悲しみが作品全体に重みを持たせているのです。

そして、そして。
何よりすばらしいのがその俳優陣!
誰がなんと言おうと一番はやっぱり三船敏郎氏ですよね。
アタイ彼の作品見たこと無かったんだけど、
正直度肝抜かれました。
存在感アリアリで、もう釘付け!
こんな俳優今の時代には居ないよね?、
さすがは世界のミフーネ!だね。
格が違いますわ。
娘の美佳ちゃんは昔からだーい好きだけど
今回は御大にも惚れさせて頂きやっす!
トシロー・ミフーネ@自宅↓かっこいー!
邦画へ_c0016407_5313955.jpg


他の侍たちもみーんな個性キラメキ。
志村喬が渋くて。
アタイも彼にリクルーティングされたら
絶対お供つかまつるな~っていう人徳家タイプ。
まいったな~って時に丸めた自分の頭を
なでるしぐさがとってもキュート。

あと名前わかんないけど、
無口で剣の腕がたつ侍も最高!
敵が来ると、「拙者が切る!」って頼りになるし、
敵の鉄砲も恐れず、「拙者がしとめて参る」って
刀持って敵陣に乗り込んで行っちゃうし。
そんで見事鉄砲持って帰ってきちゃうし。
もう侍の鏡みたいな人!
超渋い、渋すぎっ!
ちょっと五右衛門っぽい感じ。
でも渋さは次元っぽい感じで。
実は彼のキャラが一番タイプ。

この映画見てて面白いなって思ったのは
鉄砲のことを「タネガシマ」って呼んでたこと。
なるほどね~って感じ。
そういうエピソードを日本史の時間に
聞きたかったわ。

まあそんな感じで、無事に
古典邦画入門を果たしました。
けどね、古典には問題点があったりなんかして。

それは、音声。
音がね、悪すぎなんすよね。
そりゃ今から50年以上前の作品だから仕方ないけど。
でも俳優さんたちの台詞が聞き取れなくて・・・。
早口で不明瞭ってのもあるけど、
音量上げると音が割れるので、大騒ぎしてる百姓の
台詞がぜんぜん聞こえ無い・・・。
侍は静かにしゃべるから聞き取れるんだけど。
もしやそういう意図で撮ったのか?
でもまあクロサワ作品はドイツでもDVDで販売
してるので、最悪はドイツ語字幕で見るって
手もあるんですけど・・・。涙

他にもいろいろクロサワ&ミフネコンビ作品
いっぱい見たいなあ~。
小津安二郎巨匠のも見たいな。
by kuronekomusume | 2005-12-22 05:23 | 映画評 | Comments(2)
Commented by ミルフィーユ at 2014-03-17 21:51 x
何度も失礼します。七人の侍で、三船敏郎の存在感あり
スピード感ありの演技はいいですね。その黒沢&三船の作品のなかで 用心棒 はやはり渋くハードボイルドな感じでいいです。
失礼しました。
Commented by kuronekomusume at 2014-04-09 07:35
ミルフィーユさん。
そういえば、私のDVDコレクションの中にも「用心棒」があったのを今思い出しました。でもまだ見てません・・・早く見なくてはと思いつつ何年も眠らせてますねー。