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死して屍拾う者無し

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映画評/魔界転生

ジョギングしたりしても、結局暇なのでDVD見ちゃってました・・・。
アタイこの調子で行くと今年は一体何本の映画を見ることに
なるんだろ?ってくらい映画見まくってる気が・・・。
好きだからいいんだけど。
多分ね、日本に居たときはテレビばっかり見てたから、
休日も適当に時間潰して過ごせてたんですよね。
でもこっちじゃそんなにテレビ見ないから代わりに映画を
見まくってるって感じです。

今日見たのは先日ハンブルクで買ってきた日本映画。
窪塚洋介主演の「魔界転生」。

これさ、見終わって思ったけど主役は窪塚だよね?
だよね?だよね?
エンドロールも一番に「窪塚洋介」って出てたし。
でもさ、見てて思ったのは主役は
佐藤浩市じゃない?ってこと。
それぐらい存在感すごいし、役柄も何か重要だし、
っていうか、かなりキーマンだし。
窪塚こそ脇役っぽい気がしたんだけど・・・?!

確かこの映画は、かつて沢田研二が演じた映画のリメイクでしたよね?
違いましたっけ?
もっとつまらない映画かと思ってたけど、意外とストーリーが面白かったです。

徳川幕府に滅ぼされた天草四郎時貞(窪塚)が、
魔界から蘇ってきて、死人をいっぱい生き返らせて
徳川幕府を滅ぼして、さらに戦乱の世を再開させるっつう
内容なんですけど。
その生き返らせる死者達がなかなかイイ感じ。
荒木又衛門、宮本武蔵、徳川家康等々・・・。
そうやって悪魔に魂を売った変わりに不老不死を
手に入れた剣豪と佐藤浩市演じる柳生十兵衛が
戦うっていう内容なんですよね。
不老不死の割りに、佐藤浩市にみんな殺されちゃうんだけど。
そんな感じで死者を生き返らせる窪塚はどっちかっつうと悪役。
うーん、何が言いたいのやらさっぱり分からん映画なんだけど。
でも荒唐無稽で面白い?!

この映画のDVDはドイツで売ってるだけあって、
ドイツ語字幕だけじゃなくて、ドイツ語吹き替えモードもあるんですよね。
スゴイこっちゃ~。
天草四郎がドイツ語しゃべってるんだもんね。
ただドイツ人がこの映画見ても面白いかなあ・・・?!という疑問は
拭い去れませんでしたけど。
だって、家康だの家光だの、柳生だの宮本武蔵だのって言われて
「ああ、あの三大将軍の家光ね!」って分かるドイツ人って
どれくらい居るのかっつー話で。
天草四郎っつったって、
「ああ、あのキリシタンで島原の乱の人ね!」って頷いちゃうドイツ人が
どれくらい居るのかっつー話で。
「あらあら、窪塚たちが今度は家康を生き返らせたよ!」って
分かるドイツ人がどれくらい居るのかっつー話で。
かく言うアタイだって日本史に明るいわけじゃないから、見ながら、
「ええっと?!地名の漢字が読めないんだけど・・・」とか、
「宮本武蔵ってどこでどうやって死んだんだったっけ?」とか、
かなりあやふや。
歴史上の有名人が出てくるので、多少日本史が分かってないと
楽しめないんじゃないかなあとアタイは思うんですけど。

四郎ちゃんを演じる窪塚の演技に、個人的には注目してたんですけど。
あの棒読み調だと、時代物はキツイんじゃないかな~と思って。
結局あの台詞回しで演技してたけど、まあ何とか見れました。
っていうかそもそもアタイは演技してる窪塚が好きなので
わりと贔屓目に見ちゃうんですよね。
いつも同じ調子じゃない?って言われるけど、
そこが彼の持ち味だと思うので。
事故前の窪塚だから、傲慢さも演技の底に見える気がして。
そこがまた彼の良いところですので。
だから、新作はまだ見てないけど、正直見るのが怖いんですよね。
がっかりしたくないっていうか・・・。

まあそんな公平さ欠きまくりのアタイですけど、ついでに他の
役者の演技についてもかいちゃいますと・・・。
意外と上手いなって思ったのが麻生久美子。
彼女の作品は何回か見てたけど、どうも好きになれなかったんですよね。
でもこの映画の怪しい妖婦役は似合ってましたし、演技も上手かったです。
見た目が大人しい感じの美人だから、そういう役が多いけど、
実は妖婦のような癖のある演技が向いてるのかもしれないですね。
黒谷有香さんはキレイですねえ。演技も良かったです。
CMでは大根っぽいイメージがあったんですけど意外にも健闘してました!
吹石一恵は演技も見た目も普通なのに、出演している理由がよく
分からなかったです・・・。っていうかアタイはあまり好きじゃない。
あと個人的には長塚京三の宮本武蔵もどうかな~って思っちゃいました。
あの人のセリフまわしは、時代劇に合わない気がするんですけど・・・?!
感情の無い軽い感じが逆効果・・・みたいな?!

それもこれもね、佐藤浩市氏の演技が上手すぎるのが原因じゃ無いかな~と。
彼と絡むと下手な人の演技は、浮き彫りになっちゃうんですよね。
でも佐藤氏の柳生十兵衛役はハマリ役だと思いました~。
って別にアタイは柳生とか全然知らないんですけどね。
でも殺陣もステキだし、乗馬も絵になるし、古田新太との決闘シーンなんて
どっかの海辺の岩場なんですけど、ものすごくカッコイイんすよ。
佐藤氏は間違い無く日本を代表する俳優ですよね。
彼もいつかハリウッドデビューとかしちゃうんでしょうかねえ???
杉本哲太はずーっと画面に出てたのに、ちょんまげ結ってたから
全然気がつかなくて、最後のエンドロールで気がついた始末。
アタイもまだまだですわね。

この映画ドイツでは英語タイトルで
Samurai resurrectionって言います。
魔界は映画の中では「デーモンワールド」って訳されてるので、
何となーく怪しい感じが激減して洋風化してる気がするんですけど。
まあしょうがないですね。

全然知らないんですけど、監督は平山秀幸氏なんですね。
「愛を乞う人」も撮ってる人みたいで。
この映画見たいんですけど、ここのレンタル屋には無かったなあ・・・。
野波真帆さんが好きなので、見てみたいんですよね。
野波さんは一度トークショーで見たことあるんですけど、
すっごくスタイルが良くてキレイでしたよ~。

まあこんな感じでこの映画は悪くは無かったですけど、特にお薦めする
ほどでもないですね。
これ見るくらいなら、アタイは野村万斎さんの「陰陽師」をお薦めします。
by kuronekomusume | 2006-02-13 08:09 | 映画評 | Comments(0)