死して屍拾う者無し

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映画評/「鬼龍院花子の生涯」

鬼龍院花子の生涯
主演:仲代達矢、夏目雅子、
岩下志麻、丹波哲郎、夏木マリ
監督:五社英雄
公開:1982年

ストーリ
大正末期から昭和初期にかけて
高知県の侠客(要はヤクザ)鬼龍院政五郎の
生き様を描いた映画。
政五郎の家に養女としてもらわれてきた松恵の
目を通した鬼龍院家の威勢と没落がとても
生き生きと描かれている。


あれ?花子の生涯じゃないの?
って思うかもだけど。
これねえ、秀逸なのはこのタイトルなんすよ。
普通に考えると花子の人生を描いた映画かな?
って思いそうだし、アタイもこの映画を見る前は
そう思ってた。
けどコレが違うんすよね。
養女松恵の目を通して見た侠客・政五郎の
生き様こそがこの映画の中核。
じゃあ、花子って誰さ?って感じだけど
それは政五郎の実の娘。

その肝心の花子っつーのがねえ
もうどうしようもないおバカさんで
お嬢様育ちだからダメダメなのよね。
なおかつあんまし器量も良くない。
そんな花子がボーっとしてて
敵のヤクザに拉致られちゃったから
政五郎父ちゃんが命をかけて助けに行くのに
敵に手篭めにされちゃった花子は
色に狂っちゃってこともあろうか
父ちゃんじゃなくてそのヤクザもんを選んじゃう。
んで、しまいにはそのヤクザに
女郎屋に売り飛ばされて
最後にはどっかの男に殺されちまう・・・。
ってのが花子の生涯。
・・・。
あちゃーって感じよね。
それも松恵の目を通して描いてる。
花子は女郎屋での生活が辛すぎて
「お父さん、お願い、助けて」
ってハガキを実家宛に出すんだけど。
時既に遅しで政五郎は網走刑務所で死亡してたってわけ。

昔この映画を見たときに
アタイはこの最後のシーンがとても
印象に残ってて
「お父さん、助けて」
ってのがガーンと響いたのよね。
確か女郎屋のシーンでそのセリフがあったんだけど。
でも何故かアタイが昨日見たDVDには
このシーンが無くて、
淡々と夏目雅子さんが語ってただけだった。
あれあれあれれ?
アタイの記憶違いかなあ?
それとも前にWowwowで見たのは
完全版だったのかなあ?
うーん。
でもDVDのパッケージにもそれらしいシーンの
写真が載ってるから、アタイの記憶もあながち
間違いじゃない気がするんだよね。
あまりにも強烈だったし。
でも映画にはそのシーンが無かった・・・。
記憶違いかなあ~。

まあそんなダメ女花子の名前を
タイトルにしてるところが
この映画はイカしてると思う。
宮尾登美子さんの原作をアタイは読んでないんだけど
大筋は映画と同じだと思うので、
宮尾さんがスゴイってことになる。
抜群のセンスなんすよ。
ってアタイごときに言われたく無いだろうけど
それでも感心しちゃう。

そんな映画の中で
賢くて芯の強い松恵を演じてるのは
アタイの大好きな夏目雅子さん!
もうねえ、美しいことこの上ないんす。
この映画見りゃ誰だって惚れますわよ~。
着物が良く似合ってて
はかま姿もこれまたステキ。
アタイの中のナンバーワン女優は
やっぱし夏目雅子さんだなあ。
永遠の女優さんなんす。
あんなスゴイ女優さんって今の時代には
居ないもんね。
「なめたらいかんぜよっ!」
って喪服姿で土佐弁啖呵を切るシーンが
またすっごくいい!
思わず何度も見返してしまったくらい良い!
普段物静かな松恵が男どもを前に
ガツンとかましちゃうところに価値があるわけで。
鬼龍院の娘として強く育ってくれました~
ってアタイも拍手しそうになっちゃった。
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そんな夏目雅子さんの少女時代を演じてるのが
仙道敦子さん。
これまたすっごくカワイイ!
彼女は子役時代から活躍してたのね。
今はもうさっぱり姿を見ないけど
アタイは割りと彼女の不幸そうな
演技が好きだったので
もっと出てきて欲しいんだよね。
この映画でもすっごくイイ感じ。

んで、この映画を語る上で忘れちゃいけないのが
仲代達矢氏!
いつも彼の演技は最高なんだけど
この映画では特に最高~。
もうスバラシイっす。
昔かたぎな一本気の侠客・政五郎役がぴったり。
凄みもあって、彼にしかこの役は
出来なかっただろうなあって思う。
女をいっぱい囲ってるのに
エロオヤジに見えないところもスゴイ。笑
刀持って決闘に行くところなんて
もう男~って感じで渋すぎる。
いぶし銀炸裂っすよ~。

そんでそんで、そんな政五郎の嫁の役が
岩下志麻姐さん。
姐さんたらね、言葉数少ない役なんだけど
凄みありありで、美しいことこの上ないんす。
政五郎は妾が3人もいるので
正妻なのに志麻姐さんは
屈辱的な目にあってる。
それでも毅然とした強さを備えてて
またそれが美しいんだ~。
タバコの火を若い衆につけさせたり
体をマッサージさせたり
もう粋なことこの上ない!

そんで敵のヤクザ側にいるのが
これまた日本女優が誇る色気の大御所
夏木マリさん!
強い女で美しさも抜群。
あの目で見られたら男はコロッと
いっちゃいそうっすね。

丹波哲郎さんもいい味だしてるし、
それに何と言ってもアタイの大好きな
夏木勲さんが出てる!
本当に昔から好きな俳優さんなんだけど
若かりし日の夏木さんはこれまた
ステキな侠客でござんしたよ~。

それにしてもこの映画ったら
何て何て充実した俳優陣
なんだろうねえ。
もうどのシーンもステキ。
変なキャストが全然無いからだろうね。。
しいて言えば梅宮辰夫かな。
アタイはあのオッサンが嫌いだからね。
キャリアがある割りに下手だと思う。
この映画じゃ大して目立たないから
どうでもいいんだけど。

まあ、そんな辰夫はさておき、
とにかくねえ、この映画は傑作だと思う。
それって、アタイはやっぱり
五社英雄監督がスゴイんだと思う。
アタイは五社作品を何本か見てるけど
どれも印象に残るんだよね。
陽暉楼、吉原炎上、薄化粧、
極道の妻たち、等々・・・。
彼のような凄みのある、
愛憎が絡み合った映画を撮れる人って
なかなかいないと思う。
残念ながら五社監督は
既にお亡くなりになってるから
もう日本にはそういう監督は居ないってことになる。
アタイとしては五社監督こそが
日本を代表する監督だと思うんだよね。
北野武は海外で人気があるし、
賞賛に値するんだけど
五社監督もぜひ忘れないで欲しいなって思う。

昔からこの映画が大好きなので
去年帰国した時にDVDを買って帰ったんだけど
見るのがもったいなくて
今まで大事に持ってたのよね。
でもとうとう見ちゃったわ~。
146分もあるのに長さを感じさせないのよね。
とにかく見る価値あり。
何度見てもスバラシイっす。
鬼龍院家のセットもすごく重厚だし
(本当の家かと思ったくらい!)
街の雰囲気もイイ感じだし
役者さんの着物もとてもキレイ。
花子の着物がこれまたステキ。

けどこの映画って
DVDのパッケージが変なのよね。
夏目雅子さんが手篭めにされてる
シーンの写真だから
何だかエロ映画っぽいんだけど。
でも実際はちょっと違うのよね。
彼女の肌を露出した方がみんなが見るだろうって
安易に考えたんだろうけど。
ま、確かにそういうシーンもあることにはある・・・。
コピーライトも「愛に染まれば女は凶器」
って書いてあって。
これまた映画本編とは違う感じがするのよね。
東映って一体・・・?!笑
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この映画はアタイの大好きな映画で
マイベスト5に入る。
とにかく最高傑作。
なので評価はもちろん
☆☆☆☆☆:星5ツ!!
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by kuronekomusume | 2007-08-13 03:58 | 映画評 | Comments(1)
Commented by 山崎 at 2016-01-17 08:27 x
是非原作お読みになってください
なめたらあかんぜよ、出てきません
獄中死 しません
花子は働きに出た先で息子の面会日(刑務所)にうきうきで死にます