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死して屍拾う者無し

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読書リスト2007

12月になったので今年も読んだ本のリストを
書き出してみようかなと。
去年は時間がいっぱいあったのか自己ベストの
30冊も読んだんだけど
今年は半分の17冊だった~。
アタイの年間目標は12冊だから
それはクリアしてるので良しとすっかな。

読みたい本がいっぱいあって、
色々買い揃えてるんだけど
今年はなかなか時間が取れなかったなあ。
夏時間の時は部屋が明るいし
いつまでも太陽が出てるので
暗い冬場よりアタイは夏場に読むのが
好きだったりするのよね。
冬は外が寒いので家でゆっくり読書
ってのが普通かもしんないけど
ドイツの冬は暗すぎて目が悪いアタイには
部屋の明かりだけではちと読書は辛いのだ。
あと今年はちょっと仕事のことで
頭がいっぱいで読書にまで
気が回らなかったってのもある。

アタイは記憶力が悪いので
1度読んで感動した本でも
しばらくすると内容をすっかり忘れてしまってる。
読んだ本についてちょっとコメントを
書いてみようと思ったけど
あんまり思い出せないヤツもあるかも・・・。
そんなので読んだと言えるのか?!笑

本のセレクトに関しては以前以上に偏ってるかも・・・。笑
ものすごくロシア色が強いのであしからず。笑

・「ぼんくら」上下巻 宮部みゆき
江戸時代が舞台のミステリー。
面白かったけど、「最高!」ってほどでは無かったかな。
宮部みゆきの時代物は以前は好きだったけど
平岩弓枝を読むようになってからは
そんなに面白いと思わなくなっちった。
最初は文体も江戸っぽくていいなって
思ってたけど、ある時薄っぺらいなって
気がして、それ以来ダメになってしまった。
彼女の現代小説の方はストーリーが
2時間ドラマ風だからもっと好きじゃない。
だから今後は宮部小説を読むことは無いかも。

・「アフターダーク」村上春樹
全然面白くなかったな。
村上氏に去年はまりまくっていっぱい読んだけど
もう村上熱は止まったかも。
っていうかこの本は内容にインパクトが
無かったのか全然覚えてない・・・。笑

・「神隠し」平岩弓枝
いつもの御宿・かわせみシリーズ。
このシリーズは大好きなので
帰国した際、1冊だけ買ったんだけど
こないだデュスの和書古本屋に行ったら
10冊近くが棚に並んでたので
追加で4冊ほど買った!
ストックしてゆっくり読もうと思ってる。
平岩さんの文体はじっくりと
江戸の文化にも風俗史にも浸れるのよね。
ビバ・江戸!

・「先生の鞄」川上弘美
この本はなんと言うか不思議な恋愛小説だった。
いかにも邦画になりそうなストーリー。
40歳くらいの独身女性が、
高校時代の教師(70歳くらい?)に
居酒屋で遭遇して、だんだんお互いに
惹かれあって・・・って内容。
静かでゆっくりしてる。
まあ純愛と言えば純愛かな。
けどこういうのはアタイは
あんまり好きではないなあ。
読み終わったあと変な気分だったので。
この本は私の思うロマンチックでは無いね。

・「プラハの春」上下巻 春江一也
これは一番最近読んだ本。
5,6年前に春江氏著作の「ベルリンの秋」を
読んだことがあって、タイトルどおりこちらは
ベルリンの壁崩壊につながる
東ドイツ民主化を舞台にした壮大な
歴史ラブロマンス小説。
東ドイツファンならマストで読むべき本。
とにかく面白くて最高。
でもコレには前編があって、それがこの「プラハの春」。
言わずと知れた60年代チェコスロバキアの改革運動。
外交官の目を通してこの革命が描かれてる。
春江氏は外交官なので彼が自ら体験したことを
小説にしてる。
実体験だから小説もすごい臨場感に溢れてる。
ストーリが進みながらも分かりやすく歴史的事実が
組み込まれるので、読んでてまるで自分も
プラハの街に居るような気分になれる。
自分も改革の渦に巻き込まれた錯覚を味わえる。
後編のベルリンの秋につながるだけあって
やたらと東ドイツが絡んでくるので
東ドイツマニアとしてはこれまた読んでて
楽しかったし、どのシーンも目に浮かぶようだった。
読んでるとチェコに行きたくなってくる。
プラハの春といえば敵は「ソ連」なんだけど、
春江氏の凄いところは「ソ連は悪」という
単純な描き方ではなく、
モスクワの指導者が悪なのであり
ソ連人や兵隊は何も知らずに動かされている
という描き方をしてる。
それにしても春江氏の文章力は凄い。
読んでいて引き込まれるし
ソ連軍が侵攻してくるシーンなんて
すっかりプラハ市民になりきって
アタイまで涙涙涙だったよ。
(本を読みながら泣いたのっていつ以来?!)
とにかくこの本には感動しちゃったので
さっそく読書マニアのおっかさんに教えたところ
おっかさんもすぐ図書館に借りに行ったみたいで
「今はまって読んでるよ~」ってメールが先週来た。笑
ま、とにかくすごく面白いからみんなにもお薦め。
そしてコレを読んだら「ベルリンの秋」もぜひお忘れなく!

・「養老タケシの逆さめがね」養老孟司
去年、養老氏の「壁」シリーズを読んで
かなり面白い!と思ったので
引き続き彼の著書を読んだんだけど
この本はぜんぜん面白くなかった。
ので内容を一切覚えてない。

・「やっぱり私は嫌われる」北野武
1月頃読んだので詳細は忘れたけど
一部は共感したけど、
ちょっと違うなあって感じるところも
多々あったような。
読み直してみようとおもったけど
誰かに貸したのか見当たらないや。

・「だから私は嫌われる」北野武
1991年に書かれた本だから
内容がちょっと古い。
多分例の交通事故の前に出版されてる。
なのでまだまだ若いなあ~って
感じが出てる。

・「祇園の教訓」岩崎峰子
祇園で育った芸者・岩崎峰子さんが
祇園の決まりやら
日本経済界のトップとの交流を通して
彼女が学んだ「トップになるべき人の資質」を
非常に分かりやすく書いてる。
祇園を正しく分かってもらうために
誤解を無くしたい!という熱意も伝わってくるし
何より祇園の生き生きとした雰囲気が
目に浮かぶようで読んでいて楽しい。
何気にうちの会社の名誉会長のことも
書いてあったりした。笑
ときおり京都弁独特の言い回しが
分かりづらいけど、
祇園だししょうがないかなと。
本には峰子さんの芸者時代の写真が
何枚か入ってるんだけど
もうすっごいキレイ!!!
超キレイ!!
芸者さんって白塗りだからキレイさなんて
分からんでしょう・・・って思いそうだけど
やっぱキレイな人は何をしてもキレイなんだなってこと。
それにしても芸者さんたちは
外交の場でも活躍してるんだねえ。
確かにニッポンと言えば芸者だもんね。
英語まで駆使して外国要人を接待してるんだって。
リスペクト!
アタイはアーサー・ゴールデンの
「メモリーズ・オブ・ゲイシャ」を読んで、
深作欣司の映画「おもちゃ」を見れば
祇園がよく分ってイイと思う。
映画「さゆり」では本質は分からないかな・・・。

・「日本がアメリカを赦す日」岸田秀
日米の歴史を精神医学的な見解で
解説してる本なんだけどものすごく面白い。
ペリー来航時から原爆投下、戦後教育に至るまで
日本人の極端なまでの方向転換について
精神医学の立場から分析してる。
同じようにアメリカ人の日本に対する
異常なまでの支配的態度と抑圧的な姿勢も
分析してる。それはインディアン征服の
過去から来るんだそうで。
著者は戦前生まれの方なので実体験も元に
何がおかしいか?とかも書かれてて
非常にアタイには新しい見解で面白かった。
とはいえ、結論的に言うと
「今後も日本がアメリカの支配から抜け出すのは
非常に難しい」ってことになる。
そのためには、日本は卑屈な精神病状態を
抜け出さないといけないし、
アメリカはインディアン虐殺史を認めないと
いけないそうだからね。
それって・・・。
難しいと思うなあ~って諦めのはやいアタイは
読んでて絶望的な気分になっちった。
著者はやたらと戦後日本の状態を
レイプされた女性に例えるんだけど
それだけ屈辱的な状況だって伝えたくて
何度も何度もその表現が出てくる。
でもアタイは女性として
何だか読んでて気分が悪くなっちった。
強い例えを使いたい気持ちは分かるし
それだけ効果的とも言えるけど、
この表現で日本人男性にその気持ちが
伝わるとは思えないのでねえ。
日本人女性だけがわかってもねえ。
なのでこの本を読んでるとものすごく
アンチ・アメーリカな気分になるよ。
元々アンチアメーリカだけど読み終わったら
さらにアタイの反米度は上がったね。
そんな時、プーチン大統領が
バシバシとアメーリカに物申してる姿を見たので
「日本が戦前からずーっと出来ないことを
いとも簡単に言い放つプーチン大統領はなんてすごいんだ!」
って余計に尊敬しちゃったってのもある。笑
でもこの本は右にも左にも偏ってないので
一読の価値があると思う。

・「シモネッタとガセネッタ」米原万理
ロシア語同時通訳者として活躍された
故・米原万里さんの著書。
この本はロシアと言うより、同時通訳者の視点で
いろいろと面白いエピソードが書かれてる。
とにかくどの記述も共感しまくり!
というのも、万里さんは一貫して
「英語以外の言語を話すことは・・・」
って書かれてるからなのよね。
アタイはドイツ語が大好きでドイツに住んでる
もんだから、万里さんの実体験に裏付けられた
英語至上主義へのアンチテーゼには
本当に溜飲が下がるというか、
まさにそうだなあ~ってうなずいちゃう。
「英語通訳者には退屈な人間が多い」とか。笑
「英語通訳者はカタカナ英語に通訳するだけで
日本語に訳さない場合が多い」とか。
(例:コンファームとかモディファイとかね。)
普段のビジネスに英語は大事だけど
人として色んな考え方や、言語構成を知るには
英語以外の言語を勉強した方が絶対に良い!
ってアタイも思ってるので、万里さんの主張には
本当に強く共感しちゃうわけなのよね。
この本はとにかく面白いと思う。

・「ロシアは今日も荒れ模様」米原万里
同じく米原さんの著書。
この本は主にロシア語同時通訳者としての
体験が書かれてる。
エリツィン訪日の際、
同時通訳を務めてた彼女の鋭いコメントやら、
知られざるエリツィンエピソードやらが
満載でものすごく面白い。
彼女のゴルバチョフ評も非常に面白かった。
西欧ではもてはやされたゴルバチョフだけど
一度たりともロシア国民から信任を得たことが無く
結局最後まで信任を問う場を設けなかった
って書いてあったのが印象的。
今はさらにロシア人に嫌われてそうだから
やらない方がいいだろうけど。笑
ソ連時代からソ連、ロシア、ロシア人を見つめてきた
彼女のロシア評は厳しくてとても温かい。
個人的には、万里さんが生きていたら
プーチン大統領をどう批評したかを
知りたかったなあと思った。
今のロシアの興隆を喜ばれるかなあ~。

・「不実な美女か誠実な醜女か」米原万里
万里さんは毎回目を引く上手いタイトルをつける。
けど、タイトルに反して中身は全然過激では無い。
コレは「外国語をどう通訳するべきか?」って内容。
「意訳しまくると聞こえは良いけど
本来の外国語文章とはかけ離れた内容になるので
不実な美女になる。
原文に忠実に直訳すると文章としては
美しくないので誠実なブスになる」
ってことを例えて言ってるってワケで。
アタイもたまに通訳の手伝いをするので
これはものすごく良く分かるのよね。
アタイなんて本当に万里さんの通訳レベルから見たら
虫けら以下だから本当におこがましいんだけど。
それでも虫並みにどっちにすべきか?
で悩む時があるのでね。
万里さんの結論は時と場合によるってことになってた。
まあ、アタイの能力じゃ「不実なブス」に
なりかねないので、せめて「誠実なブス」目指して
がんばるしかないんだけど。笑
直接は書いてなかったかもだけど
万里さんの本を読みながらアタイは
「通訳は片方の言ってることを
そのまま訳しただけじゃ
文章通訳って役割は果たせても
その場の空気がギクシャクする場合があるので
結局は双方をうまくつなぎ合わせるような
訳が必要なんだろうなあ」って思った。
コレは本当に難しいのよねえ。
どっちの言い分も分かるけど・・・みたいなね。
今月末にまた通訳のお手伝いをやるので
また万里さんの本が必要になるかも。笑

・「プーチン自らを語る」
プーチン大統領が2000年大統領選挙に
出馬する際出版された本で
プーチン大統領にインタビューを行って
その回答を載せた本。
これはプーチンファンのバイブルだよ。
ものすごくものすごく面白くて最高の本!!
今年読んだ中でぶっちぎり!!!
感想は長くなるので別途書こうかな!笑

・「プーチニズム・報道されないロシアの真実」アンナ・ポリトコフスカヤ
これまた、プーチンファンとしては無視できない本。
アンチプーチンのアンナさんによって書かれた本。
ファンならプーチンの悪いところも分かっておかねば!
と思って読んだけど・・・。
うーん。うーん。うーん。
長くなりそうなので、これも別途感想文を書きます。

・「ロシア連邦がよーく分かる本」 榎本裕洋
プーチンファンになってからと言うもの
色んな記事を読むようになったんだけど
なんせアタイはロシアのバックグラウンドが全く無い。
ので政治やら議会がどうなってるか
まったく分からなかったので
(下院選挙って何?みたいな感じだったので)
ロシア辞書代わりにアマゾンで買った。
国際政治的なキーワードも肝心なところは
削りつつも概要を書いてくれてるので
アウトラインを知るには分かりやすくてちょうどよい。

・「日本人なら知っておきたい神道と神社」武光誠
ドイツに来てからアタイは神道に
興味を持ってしまったのよね。
ニッポンジーンとして何故自分がこういう行動を取るのか?
とか、何故こういう習慣があるのか?
って考えると神道と仏教ははずせないんすよ。
どんだけ自分は無心論者だ!と思っても
ニッポンで生まれ育つとこの二つの影響無しで
暮らすのは不可能。
神道は「国家神道」のせいで悪いイメージが
ところどころにあるんだけど
そもそもちゃんと調べると全然違うってことが分かるし
なんてなんて平和な宗教なんだろう~
って誇らしくもなる。
神は無数に存在するし、
経典も無いし、勧誘も無いなんて
どっかの新興宗教の信者に教えてあげたいよ。笑
とはいえ、微妙に本によって書いてることが違うので
他にも何冊か読んでみないとなあって思う。
今は神道が気に入ってるので、
アタイはプチ神道ファンなんだけど
そのうち仏教もちょっと勉強してみたい。
でも仏教はちょっと複雑で面倒くさそうだから
いつになるかわかんないや。

以上がアタイの読書リストっす。
by kuronekomusume | 2007-12-18 12:41 | 日記 | Comments(3)
Commented by sandonomeshi at 2007-12-19 15:01
しっかり読んでますね。
「祇園の教訓」とか米原万里さんの著作は気になります。プーチン系も面白そうですが・・・(笑)。
私といえば自宅に持っている本の中からいくつか読み直しした以外、かなり本枯れの一年だったな~。
Commented by kuronekomusume at 2007-12-20 06:23
sandonomeshiさん、今度ベルリンに行く時に「祇園の教訓」を持って行きますよ~。米原さんのは借り物だったので一部しかないですけどそれも一緒に!私はドイツに来てから本を読む時間が出来たので前より読むようになりましたねえ。笑
Commented by sandonomeshi at 2007-12-20 15:40
え~、お荷物になるのにすいません。でもうれしいです!
2月なんて言ってる間にすぐでしょうね。
ベルリナーレもチェックしなくては。