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死して屍拾う者無し

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半分旅行記かなあ。

金曜から先ほどまでちょっと出掛けてました。
また?
って感じね。
仕事のつもりで出掛けたら
何だかすっごく良いところだったので
すっかり夏の休暇を楽しんだ形になっちった。
役得、役得。笑

どこに行ってたかと言うと。
マルクノイキルヒェンっていう街。
そんなところドイツ人でも知らないような
小さな小さな街。
旧東独のさらに南にあるチェコ国境近くの街。
ほとんどボヘミアンと言っても過言ではないところ。

ものすごくデュスからはアクセスが悪い。
電車だと片道8時間くらい掛かる。
ので行きはアタイは飛行機で行った。
けど飛行機もアクセスが良くない。
最寄がニュルンベルクでそっからは車で行くしかない。
アウトバーンを200キロですっ飛ばして2時間くらいかな。

とにかく遠かった。
ので思ったとおりすっごい田舎町だった。
お店全然見当たらず。

つーか、何しに行ってたんだ?って話よね。
ニッポンの音楽雑誌ドイツの楽器メーカー
取材をするっていうので
通訳の手伝いに行ってたんす。
プロでも何でもないのに何故かアタイがね。笑
この雑誌とは2年前に仕事をした際、
フランクフルトの音楽メッセ取材を手伝ったことがあって
今回も記者さんがアタイを思い出してくださったんす。

いやー。
アタイの言語力で大丈夫なのか?
って正直不安だったわ。
しかも。
アタイって音楽は好きだけど
楽器がひとっつも弾けないんすよ。
だから専門用語とかどうしよ・・・って
不安だったんだけど。

結果から言えば。
問題無しだった。
結構上手く行ったかなあと。
思うことにする。笑

つーかね、専門用語は訳さなくても
記者さんはお分かりだったんで大丈夫だったんす。
んで、このメーカーさんが作る楽器は
割とうるさい系ロックバンドのベーシストが愛用してるので
有名なんだって。
それって何気にアタイの好きなジャンルだったりして。
リンプビズキット、311、メタリカ、
スリップノット等々。
楽器は弾けないけどココの楽器がどういう系の音なのかは
割りと分かっちゃったのだ。

このメーカーさんはドイツじゃ一番デカイみたい。
ギブソン、フェンダー、ESPあたりはアタイも知ってるけど
このメーカーは全然知らなかった。
でもベーシストの間じゃ有名なんだって。
何だか色々取材があったんだけど
おかげさまですっかりアタイも詳しくなっちった。笑
楽器が作られる行程を見れるチャンスなんて
なかなか無いもんね。

社長さんをはじめ社員の皆さんには
いろいろご親切にしていただいて恐縮でした。
何気に若い社員が多くて驚いた。
なーんか落ち着くよなあって思ってたら
社員みーんなの雰囲気がロックだったからっす!
タトゥー、ピアス、ロックTシャツ。
いいね、いいね。

創業者である社長さんは、どこの社長もそうであるように
ものすごくバイタリティのある方だった。
語り口も熱いし、すごく辛らつ。
でもジョーク好き。
職人気質!って感じで本当に面白かった。
けどこの会社ってドイツの会社にしちゃ変わってて
年間有給がたったの20日間しかなくて
一日の労働時間はなんと12時間だって!!!
ありえない。
本当にドイツの会社か?って思っちゃった。
社長いわく「ニッポンをお手本にしてるんだ」とのことで。
・・・。
ソレが嫌でドイツに逃げてきてるアタイとしては
ちょっと驚いちゃった。

この街はとっても興味深い歴史のある街だった。
100年ほど前は大変裕福な街だったんだそうで。
むかしから楽器製造を行ってる街で
当時は欧州で一番楽器を生産して輸出してたので
ものすごく街の財政はうるおっていて
多くの金持ちが住んでたんだそう。

第二次世界大戦後このエリアはソ連管轄になり
音楽製造業は全部破壊されてしまったんだそう。
将来を案じた多くの金持ちは西側へ逃げて
仕事を再開する人も居たんだとか。
この会社の社長さんのお父さんも西側に逃げたので
楽器製造技術は生き残ったんだそう。

街のいたるところにすごく大きな邸宅が
たくさんある。
アタイは古くて大きな邸宅を見るのが大好きなので
とーっても楽しかった。
この辺の家は東独時代に大分放置されていて
かなり荒れ果ててたみたいなんだけど
最近色んなところに買い取られて修復されて
その姿を復活させてるみたい。

この会社もその一つを買い取って
会社の歴史ミュージアムを作ってた。
非常に面白いね。
欧州のギターメーカーの原点は
バイオリン製造なんだそう。
米国のメーカーには歴史は無いんだって。
へへへー。
こちらがそのフラムス・ミュージアム。↓
フラムスは今のメーカーの社長のお父さんが
手がけていた楽器メーカー。
倒産しちゃったので今の社長がギターレンジだけ
残してるんだって。
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個人的にはミュージアムの目の前の建物の方が
ゴージャスで気になった。↓
中に入りたーい!!!って思ってね。笑
けどねー、この建物は今なんとなんと
孤児院として使われてるんだって。
両親の居ない子達が住んでるんだそう。
確かに家のまわりで黒人の子たちが遊んでる・・・。
うーん。
こんな大豪邸を孤児院にするとはその発想に驚いた。
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近くのバート・エルスターという保養地のレストランで
ディナーに招待してもらったんだけど
この建物もこれまたステキだった。↓
100年前はカジノだったんだって。
雰囲気抜群!!
残念ながら味はイマイチだった・・・。
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ホテルのレストランで食べた料理の方が美味しかった。笑
熱く焼いた石の上に肉を置いて自分で焼いて食べる
「石器時代ステーキ」っていう料理だったんだけど
何かすっごく美味しかった。笑↓
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取材のあと時間があったので
記者さんやカメラマンさんたちと山の中を散歩した。
すごく天気も良くて暑いくらいで
高原のような天気の中山道を歩いてたら
何だか避暑地に来てるような気分になって
とーっても楽しかった。
すっごくリラックスできた!笑
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そんなこんなで楽しく手伝えたかなあと。
by kuronekomusume | 2008-07-28 03:58 | 旅行記 | Comments(4)
Commented by sandonomeshi at 2008-07-29 00:40
石器時代ステーキてすごいネーミングですね。石器時代って既にお肉焼いて食べてたんでしたっけ?まあそんなことはさておき、美味しそうです。
似たような料理がスペインのバスク地方にもあります。スペインも大体においでお肉は気前良く分厚くてドーンて感じですが、石焼のは薄~くスライスしてあるのには感心しました。途中石が冷めてくると取り替えてくれるんです。
Commented by kae at 2008-07-29 11:01 x
こんにちは。以前、ケルンの知人がギター工房見学をさせてくれました。相方の趣味がギター修理というのを聞いて、話をつけてくれたらしいんですが、最初は本当の職人さんの所へ行って、「マイスター技術を盗む気かー」って言われちゃったらしい。結局独学で学んで趣味でクラシックギターを作っている方の工房を見学させてもらいました。
それにしても、凄い邸宅!木立も素敵。孤児院の邸宅が趣があって良いですね^^
Commented by kuronekomusume at 2008-08-03 07:03
sandoさんレスが遅くなってすみませぬ。
石器時代ステーキは直訳なんですけどお店のイメージはあのアニメ「フリントストーン」でしたよ。笑
豚、牛、ラム肉があったかなあ。シンプルですけど美味しかったです!石も交換してくれました。
バスクにもこういう料理があるんですか~。以前行ったときは食べなかったのでまた行く機会があれば試したいですね。
Commented by kuronekomusume at 2008-08-03 07:05
kaeさん。この街は小さいし、歴史も分断されてた過去があるけどそれでも田舎なのに田舎くさくなくて不思議な感じでした。
欧州のギターやベースはバイオリン製作技術が歴史的背景としてあるので、その辺につながりがあるみたいですよ。
邸宅ウォッチングだけでも散歩が楽しそうな街でした!もう行くことは無さそうですが・・・。笑