先日やっとのことでクロネコを2ヶ月間
苦しめてた問題が解決した。
大岡越前だってこんなに時間が掛かるとは
思ってなかったと思うし、
長谷川平蔵がこんなグズグズしたやり方を見たら
カツ!を入れること間違いなしだと思う。
まー、何はともあれ解決したよ。
本当に本当にアタイはこの件でいろいろ考えたし、悩んだし、
何をどうすればいいのか分からず途方にくれまくった。
そんで、このままドイツラントで暮らしていく事に
自信を無くしちゃって、かなりくじけてた。
クロネコ常に大げさに書くけど
この件に関してはかなり落ち込んでたし
今もまだ傷は完全には癒えてない。
なんせ騙されまくったから傷ついてるんだよ。
それにしても今回はいろいろ学んだなー。
学んだ事を今後応用できるか?といえば絶対無理だし
二度とこんなこと御免だけど、アタイの予想ではドイツラントで
暮らしてる限りこういう問題はよく起こる気がする。
こんなんでこのまま暮らしていけるのか正直不安。
ドイツラントはアタイが思ってた以上に世知辛いみたい。
骨身に沁みたね。
意地悪で狡猾なドイツ人のやり方にとっても傷ついた。
でも実はそれ以上にアタイのまわりのドイツ人がすごく
優しいことに気づいたのよね。
本当にありがたくてありがたくて感動しちゃった。
クロネコが思っていた以上に周りの人たちは暖かくて頼れる人たちで
優しい人たちだったんだーって分かった。
それを知るための試練だったんだ・・・と思えば
お釣りが来る体験だよね。
うん、うん。涙
中でも今回クロネコを見事に助けてくれた元上司にはすっごく感謝してる。
もう元上司と呼ばずにスーパーヒーローって呼ぶ事にする。
クロネコにとってはスーパーヒーローそのものだったんで。
こんなに頼れる人が居ることに感謝だよ。
やっと事件が解決したのでここにも書ける。
でもかなり長いから興味ない人はここで
終わりにした方がいいと思う。
はしょろうかと思ったけど、そんなのアタイには
無理なんで全容を書いちゃうよ。
長編大作はじまり、はじまり~。
この事件を名づけるとすれば
「I・デュス店詐欺未遂事件」だね。
Iとはスウェーデンの世界最大級家具チェーン店だよ。
日本にもいくつか店舗がここ数年出来てるあのお店。
断っておくけど、アタイはIの商品には
すごく満足してるし、とっても気に入ってる。
商品には一切不満は無い。
お店にも不満は無い。
ただ、アタイは不幸な目にあったってだけ。
そもそもね、アタイはこれが詐欺事件っていう
認識とか一切無かったんす。
ただの「会計ミス」だと思ってたんでね。
でもこの話をドイツ人にすると全員が
「それは詐欺だ!」って言うから
詐欺事件なんだと思う。
もうそっからしてドイツラントの仕組みがよく
分からんのだけどね。
アタイは4月の中旬にIに行って
しこたま家具を買い込んだんす。
引越しに備えていろいろ下見をして
ベッドやら、ベッドマットやら、
クローゼットやら、その他細かいものやら
本当に色々と買い込んだんす。
そもそもの発端はレジのオネイサンの会計ミス。
なんとレジのオネイサンが7割くらいの項目を
間違えてレジ打ちしちゃったんす。
ありえない話だけど、結果的に7割くらいが間違えてた。
つまり本来の金額の倍近い金額を
打ち込んでしまってたのだ。
ただ非常に残念なことにアタイはそのミスに
気がつかなかった。
だからそのまま何の疑いも持たずにカードで支払ってしまった。
ただのバカとしか言いようが無いんだけど・・・。
クロネコ人生において一度にこんなたくさんの
家具を買ったことが無かったからかも。
変に興奮しててハイテンションだったのも良くなかった。
普通の買い物だと大まかに頭の中で
大体これくらいの金額だなーって
計算しながらレジに行くんだけど
このときは一切やらなかった。
レジに行けば合計金額が分かるなー
くらいに思ってたんでね。
あと、カードで買うってのも良くなかったね。
現金ならもっとシビアに計算してたかも
しれないからね。
なんて・・・全部ただの言い訳。
アタイには分かってるんす。
アタイ、算数の脳みそが欠落してるんす。
クロネコは計算が出来ないんす。
お金を払う場であまり細かく考えないタイプ。
面倒だし、まあそんな大きなミスなんて
起こりえないだろうし・・・
って相手を信頼してることもあって。
ま、それが油断だったんだけど。
後でアタイが気をつけてれば避けられた事件では?
って何度も考えてみたけど
アタイはやっぱり自分の頭では計算をしなかっただろうし
レシートを見返す事も無かったと思う。
だから自分からこの事件を阻止出来た可能性は
どんなに考えてもゼロに近い。
本当に残念ながら・・・。涙
アタイは自分の計算の出来なさが悲しかったし
とってもとっても落ち込んだ。
自分のバカさ加減が情けなくて。
生きていく事自体が難しく感じるくらいだった。
誰にもこんなミス知られたくない・・・
って思ってウジウジしてたんでね。
でもコトはアタイの予想を超えてさらに複雑なことに
なってしまってた。
ただの会計ミスがさらに事態を複雑化させてたんす。
自宅でレシートを見てみたら、ベッドが2セット分
打ち込まれてたんす。
アタイはもちろん1個しか買ってない。
なのでベッド1セット分の金額を返してもらわないといけない。
さらにレシートに見覚えの無い「ギフトカード」と言う項目があって。
アタイはそんなものは買ってなかったのでその全体の
半分を占めるギフトカード代も返してもらわないと
いけなくなった。
ベッド1セット分とギフトカード分。
これはかなりの金額だった。
Iに再度行ってみたところ
サポートセンターのおばちゃんが1時間くらいかけて
いろいろと調べてくれてとんでもないことが判明。
ベッドは確かに間違って打ち込まれてた。
でもギフトカードが問題だった。
Iいわくアタイが持ってるはずだってことだった。
けどアタイはその時点でそんなもん買った記憶が無かった。
当然返してもらった覚えはもっと無い。
このギフトカードについてはおばさんが説明してくれた。
ちょっとややこしいんだけど、
Iにはショッピングサービスと言う有料システムがある。
買いたいもののリストをまずはレジに持っていって
お金を先に支払うとギフトカードを渡される。
そのギフトカードには買ったものと同じ金額が打ち込まれる。
そのカードを配送カウンターに持っていけば
そこの店員がアタイの買ったものを倉庫から集めてきてくれて
さらに指定日に配送もしてくれる。
もちろん配送代は別途かかるよ。
で、アタイはこのシステムを使ったので、
ギフトカードを買ってるし、それを配送カウンターで
渡してるはずってことになる。
でもとにかくも
「アタイはお金を返して欲しいんだ!!!」
と訴えつづけた。
おばさんいわく「私の一存じゃ決められないから
上司に相談して連絡します。」ってことだった。
しゃあないからアタイは帰宅。
で、アタイは必死に家に帰ってから思い出してみたんす。
したらだんだん記憶がよみがえってきて。
そういえばアタイはレジでキャッシュカードみたいなやつを
もらったよなーって。
んで、それを配送カウンターに持っていったよなーって。
んでそこのお兄さんに渡したよなーって。
あれがギフトカードに違いない!って。
ってことはアタイはカードを持ってないと言えるよね!と。
もうね、一体何が起こってるんだろうって感じよね。
アタイは全体が分からないし、
何でお金を返してもらえないのかも分からなかった。
Iからは約束の日を過ぎても連絡は来なくて
約束から1週間も過ぎてやっと電話があった。
アタイの二つの目のミスはショップの電話番号を
聞いてなかったので自分からは連絡が出来なかった点。
ウェブとか見れば番号が分かると思ってたけど
なんとIのオフィシャル電話番号は
音声電話にしかつながらない。
やられた!って感じ。
Iのカスタマーセンタ長から電話が掛かってきてさらに複雑な話を聞かされた。
配送カウンターの人はアタイからカードを受け取ってないと
主張してて、どうやらそのカードが行方不明ということらしい。
カードのシリアル番号を調べたところ既に誰かが4月14日平日に
全額そのお店で使い切ってることが判明。
Iは紛失したカードのことまでは責任を負えないとのことで
なおかつその紛失したカードを使ったのはクロネコなのでは?
とまで言われた。
驚きの連続でアタイは状況を把握するだけでいっぱいいっぱいだった。
何せ金額がかなりだったんでね。
それを返してもらえないって言われて。
記憶さえあやふやなカードをアタイが使ったとまで言われて。
なおかつ会計時金額がおかしかったことに気がつかないなんて
あなたおかしいんじゃ?とまで言われて。
クロネコは言葉を失った。
それでもとにかく必死に
「アタイはカードを渡したし、その後は一切知らない。
アタイのお金を返して!!」と繰り返した。
でもアタイあることに気がついた。
アタイがこの電話をしてた時期はまだアタイは引越しを
してなかったので、荷物はすべて配送会社にあるとのことだったけど。
ギフトカードが紛失して、誰かが違うものを買ってしまってるのに
どうしてアタイが買ったはずのものがすべて配送会社の倉庫に
すでにパッキングされてるの?ってことだった。
どうやって配送会社はアタイのクローゼットとかを
手に入れたんだろ?って。
だからその疑問をぶつけてみたところ、Iのカスタマーセンター長は
しどろもどろになった。
何でも配送会社は別会社だからIとは関係が無いから
分からないとのことで。
そんなのアタイの知ったことじゃ無いんだけど・・って感じで。
そっからはいつもの「これはもう店長の判断を仰がないと
私の判断ではどうしようもありません。またこちらから連絡します。」
だった。
そんでもって「Iの直通電話は教えられません!」の一点張り。
しゃあないからそのまま電話を切った。
けどどうにも腑に落ちない。
どう考えてもアタイは悪くない気がしてきて。
というよりその配送会社がかなり怪しい気がして。
なので翌日、サユリさんに頼んで車を出してもらって
Iに乗り込んでいった。
ここは一発芝居を打って「警察に行きますよ!」
って言えばいいかもって言いながらショップに行ったら、
店長がいきなり
「これは詐欺事件です。警察と弁護士に訴えてもかまいませんから」
って言い出したから驚いた。
どうやらI側もその配送会社が怪しいとにらんでるっぽくて。
一旦内部調査をしますからってことでアタイはなんと
宣誓書にサインを書かされた。
「クロネコはギフトカードを配送カウンターに渡した後
返してもらっていないと誓います!」ってやつ。
内部調査後にどうするかを連絡しますからって店長に言われたので
アタイらはそのまま帰宅。
でも今度は帰り際にIの直通電話を聞いたのよね。
店長は事態が事態だしってことで快諾してくれて、
カスタマーセンター長のおばさんが手書きでスラスラと番号を
書いてくれたんだけど、その番号はなんとウソの番号だった!
本当にありえないことだけど実際その番号では掛からなかった。
アタイはこの時点でIの言うことは一切信用するのを止めよう!
ってやっと思えるようになった。
人間性悪説は本当だったんだ!ってこのときに悟った。
遅すぎたかもしれないね。
アタイはつくづくお人よしだよね。
自分が人をだますなら、むしろだまされるほうがマシ・・・みたいな
美徳はこの国には無い。
正直に生きてればいいなんてウソ。
そんなのただのカモにしかされない。
人をだましてナンボの世界。
ギスギス通り過ぎて嫌な感じだよ。
罪悪感とか道徳観とか無いんだなあって思った。
そういう人たちと同レベルで争うなんて自分を下げることになるから
醜い争いをしてはいけない・・・って習ってきたアタイには
もうどうすればいいのか分からなくなった。
自分の信念が揺らぐと言うか。
犯罪者の心理がアタイには分からないのと同じで
ドイツ人の心理がまったく分からなくなった。
挙句Iが電話してきた結論は
「ナニガシと言う運送会社の人を訴えてください。
店長とサポートセンター長は今休暇中ですから一切の
質問には答えられません。では。」と言うものだった。
もうアタイはどうしたらいいのか分からなくて
気力も体力も無くなりそうだった。
アタイが望んでるのはお金を返して欲しいだけなのに
なんで警察とか弁護士とかそういうことをしなきゃ
ならんわけ?
って感じで。
そんなのますます意味が分からないし、
どうやってやればいいのかも分からない。
困った。
本当に困った・・・。
途方にくれるってこういうことなんだって言うくらい困った。
困り果てた結果、ポロッと元上司の前でこの話をしたら
元上司が怒りだしたのよね。
それはこないだ書いたけど。
元上司は、「クロネコ、もっと細かく話せ!一体何があったんだ?」
って凄い勢いで怒りだして。
アタイはあたふたしながらあらまし説明した。
元上司はアタイの説明を聞くやいなや
「クロネコ、それは詐欺事件だ。Iが悪い!
お前はIからお金を返してもらわないといけない。
そんな運送会社なんて無視だ。
おまえは何でこんなになるまでオレに言ってこなかったんだ?
ぐずぐずしてちゃ駄目だ!!
オレがすぐに電話してやる!電話番号をかせ!」
とそのままIに怒りの電話をかけた。
でもあちらの責任者は休暇中で不在だったので
「戻り次第連絡してこーい!!」と留守番店員に伝言。
その後元上司はアメリカ出張に行って、
アメリカからIと話をつけたらしく、アタイに電話をしてきてくれた。
「クロネコ、Iの店長と話したぞ。金は返すとのことだ。
後はお前の銀行口座を教えれば振り込んでくれるぞ。
良かったな!」
と電話してきてくれて元上司はそのまま休暇に行った。
元上司っ!!!!!
あ・り・が・と・お・お・お。
涙・涙・涙・涙。
クロネコはどんなにか感謝しただろう。
泣いてもいいくらいだよね。
元上司は本当にスーパーヒーローだよね。
困ってるクロネコをすぐに救ってくれた。
ああ、本当にありがとう。
クロネコは元上司をもっともっと尊敬して
さらに大好きになった!
でもその分悲しくなった。
もう彼がアタイの上司じゃないことが本当に残念で。
こんなに凄い人が一年間上司だったんだ・・・
って思うと本当にアタイは恵まれてたんだなあってね。
アタイが部下じゃなくなっても無心で助けてくれるんだなあって。
男気だよね。
ゲルマン魂すごいよね。
スーパーヒーローと呼んでいいよね。
アタイはドイツ人のヒドイ例と最高の例を一度に体験したんだね。
アタイね、スーパーヒーローに聞いたんす。
「一体どうやって交渉したの?」ってね。
したらスーパーヒーローいわく
「クロネコ、人間は時には感じ悪いヤツになんなきゃ
いけないんだよ。クロネコは優しすぎるんだよ。
キツク言わなきゃ分からんやつらもいるんだよ。」
とのことだった。
「言語的に不利な立場にいる外国人にそういう
やり方をするのは卑怯だろ!って言ってやったよ。」
って元上司は笑いながら言ってた。
クロネコは感謝の気持ちでいっぱいで言葉が出なかったよ。
前にも書いたけど、アタイはスーパーヒーローに
すごく怒られたのよね。
「クロネコ、何ですぐに相談してこなかった?」ってね。
「おまえに頼れる友達はいないのか?」ってね。
「今度から困ったことがあったらすぐに言えよ!」ってね。
ありがと、スーパーヒーロー。涙
アタイね、今回のことはいろんな人と話したんだけど
ドイツ人でもみんながみんなスーパーヒーローみたいなわけじゃ
無くて、強く言えない人も多いみたい。
それにかなりの交渉力がないとドイツ人でもお金を返して
もらえないことが多いんだって。
またはやり取りに凄く時間がかかる。
だからスーパーヒーローは本当に凄い人なんだなあって
さらに尊敬しちゃった。
足を向けて寝れないなーってね。
でもこないだ他の部署のドイツ人が
「クロネコ、Iの件大変だったね。元上司から聞いたよ。」
って言ってきたので驚いた。
スーパーヒーローのオシャベリっ!!怒
今回の教訓
1ドイツラントではレジの会計を信じるな!
2揉め事が起こったら責任者と交渉せよ!
3困った時はすぐに誰かを頼れ!
4初対面のドイツ人になめられるな!